第4話 見上げたら
月が黄色く光って。
貴方の顔を照らしていた。
「ごめん・・・」
呟きが一言、漏れた。
「ずるい・・・」
背中越しに抱きしめる腕に爪を立てる。
「いてっ・・・」
背中越しに聞こえる声にクスッとした。
振り返り、貴方を見た。
貴方の髪もずぶ濡れで。
私を探し回っていたのが分かる。
「ばか・・・」
嬉しさを隠すように囁いた。
「ごめん・・・」
もう一度、貴方が呟いた。
「ばか・・・」
もう一度、私が囁いた。
そして。
目を閉じて。
囁くのです。
「キス、して・・・」
と。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます