人間社会に足を踏み入れること——おそらく、これが生まれて初めての大きな試練だった。
凶暴種と定義され、獣人族である俺に、選べる道は限られていた。
魔法学院への入学はこの上ない栄誉だが、俺にとって、前例のない事実は越えられぬ壁だった。
だから俺は姿を変え、人に成りすました。
けれど、彼女の、美しい水色に輝くその瞳だけは、ごまかせなかった。
優等生である彼女は、少し変わっていた。俺に対して、ことさら熱心に接してくる。
いや、その情熱はべったりとつきまとい、ついに俺の偽装を引き裂いた。
ああ、これで俺の用意してきたすべてが終わるのか?
しかし、彼女はためらうことなく、人間ではない俺を助けてくれた。
もう一度、ありのままの姿でこの世界に溶け込み、
彼女と共にいることで、俺はかつてない安心感に包まれた。
過去も、未来も、彼女と共にいられることが、もしかしたら命の奇跡で、
神の導きなのかもしれない。
さまざまな種族が共に生きるこの世界を創りたもうた神様のように、
彼女は、俺にとっての女神なのだろう。