第46話: 王宮中枢突入!!——仲間たちの死闘
オペレーションΩ、最終フェーズ発動。
クロエ・ワークライフ率いる精鋭チームは、レガシー・コロッサスの圧倒的な破壊を掻い潜って王宮内部に巣食う黄昏の
「これより、王宮中枢への
最終突入ルートを確保します。
目標地点は玉座の間に繋がる中央大階段。
そこがおそらく敵の最終防衛ライン
となっているはずです。
突破に要する許容時間は、最大十分。
それ以上かかれば、
コロッサスの暴走を止めることが困難になります」
クロエは先行しながら、リアルタイムで変化する戦況と、敵の配置情報を分析して仲間たちに的確な指示を飛ばしていく。
「バーンズさん、アランさん。
あなた方は前衛をお願いします。
敵の主力を引きつけ、
可能な限り数を減らしてください。
ただし決して深追いはせず、
常に連携を意識すること。
あなた方の役割は、
私とシオンさんが、
コロッサス制御システムにアクセスするための
ターミナルに到達するまでの時間を稼ぐこと。
ターミナル端末は、恐らく——
玉座の間に隠されているはずですから。」
「おう、任せとけ!
派手に暴れて、奴らの度肝を抜いてやるぜ!」
「了解した。援護は任せろ。
ただしバーンズ、くれぐれも突出するなよ」
バーンズとアランは、クロエの言葉に力強く応じ、まるで長年コンビを組んできたかのように息の合った連携で、次々と現れる結社の戦闘員や警備ゴーレムを打ち破るのだった。
バーンズの破壊的な魔法が敵の陣形をこじ開け、そこにアランの精密な剣技が致命的な一撃を加える―—効率的かつ強力なコンビネーションだった。
「シオンさん。
あなたは私と共に行動します。
あなたの古代魔法の知識と
トリッキーな能力は、
未知のトラップや特殊な防御結界を
突破する際に不可欠です。
ただしくれぐれも、勝手な行動で
私の計算を狂わせないように。
あなたのエンターテインメントは、
作戦完了後に存分に楽しんでください」
「やれやれ、相変わらず手厳しいね、
コマンダー。だが了解したよ。
君のその華麗なる『最適化』を、
特等席で見せてもらうとしよう。
もちろん必要とあらば、
僕の秘蔵の『切り札』も、披露するつもりだけどね」
シオンは、いつものように軽口を叩きながらも、その瞳の奥にはこの極限状況を楽しんでいるかのような、妖しい輝きを宿していた。
そしてリリィは——
『先輩、皆さん、聞こえますか?
地上の移動司令部から、
王宮内部の魔力ネットワークの構造解析、
完了しました!
ヴァロワールは、コロッサスの制御と同時に、
王宮全体の防御システムを掌握しているようです!
ですがその制御プログラムの中に、
いくつかの
発見しました!
特に中央大階段に繋がるエリアの
監視システムは、
特定の魔力パターンを流し込むことで、
一時的に誤作動させることが可能かもしれません!』
リリィの声はまだ少し震えてはいたが以前のような怯えはなく、むしろ、自分もこの戦いの一翼を担っているのだという強い意志と自信に満ち溢れていた。
彼女は先の誘拐事件を仲間たちの支えと、そして自分自身の力で乗り越えようとしていたのだ。
「素晴らしい分析です、リリィさん。
その情報、非常に助かります。
直ちにその脆弱性を突くための、
最適化された妨害プログラムを
構築して実行してください。
誤差は許容しません。
あなたのその『調和の魔力』なら、
きっと可能です」
クロエは、リリィの成長を頼もしく思いながら的確な指示を返す。
作戦は、まさに
各員がそれぞれの持ち場と役割で、限界に近い状況下で、完璧な連携を保ちながら敵の抵抗を排除し、目標地点へと突き進んでいく。
行く手には、ヴァロワールが最後の切り札として配備したであろう、強化された結社のエリート魔術師部隊や、見たこともないような凶悪な古代ゴーレム、そして何重にも張り巡らされた殺人的なトラップが待ち構えていた。
しかしクロエたちの勢いは、もはや誰にも止められなかった。
彼らの心は一つとなり、ただ一点、ヴァロワール打倒と世界の平和――そしてクロエの定時退社を取り戻す、という目標に向かって燃え盛っていた。
「各自、持ち時間を厳守してください。
我々の未来はこの数分間にかかっています。
必ず、成功させましょう!」
クロエのその言葉が仲間たちの心をさらに奮い立たせていた。
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