第29話 メロロンというミュータントに思う、光と闇

第30話 プリキュア! キラッキラン・フォー・ユー! 実況中継

https://kakuyomu.jp/works/16818093092981847995/episodes/16818792439175686900


前話同様、この続きの要素も入っております。


メル ~ 人魚の女王様にして押しかけアシスタント

名代 ~ プリキュア御意見番・名代藤本定義


・・・・・・・ ・・・・・ ・


名代 ねえたま、メロロンはキラキラントのミュータントと言えやせぬか。

 平時はいてもいなくてもいいような影の存在、あえて闇とは言わんけど。しかし戦時になるとその力を否応なく求められる。無論一兵卒程度の役割などではなく、その組織全体の命運を左右する場での役割で、な。

メル ミュータント、ねえ。せーくん、あんたも似たようなものやないか❓

名代 わしもそれは思っておるのよ。自分自身のことや、わからん筈がねえよ。てなわけで今週初めのプリキュアは毎日1回裁定見直して思考を巡らせておる。

メル それで新刊の構想がストップしとるなんて言うなよ。

名代 どうせ止まっておるのなら、こちらに目先を方転(方向転換)させておけばちょうどええ位になるやろ。中期的には。

メル あ、そ。ほながんばりや。


名代 でや、光と闇は溶け合わないのか、光の中に闇、またその逆も形を変えて真なりというか、どれが唯一無二の心理かという問いは、愚問であると思料する。

メル ある局面だけ見れば、そこでは唯一無二なのかもしれないわね。

名代 そらそうよ。ある局面だけでええならな。しかし全体を見た時、その唯一無二はいとも簡単に崩壊する。

メル なるほど、あんたらしい見立てや。それであんさん、幼少期を渡って来れたのではないか。教員上りの老園長や終戦直後からのベテラン保母さんらの仕切るあの環境を叩きのめしてやって行こうと思えば、そのくらいの見立てが出来んと到底やって行けまあが。

名代 なんかメル姉、ワシに合せた表現してないか❓

メル そうや。あんたの心の「闇」を引き出したくてな。

名代 やっぱりさよか。わしゃうよちゃうで。ま、ええわ。そやねん、ワシな、あの頃自分自身でそこまで言葉にできていたわけではないが、そのつもりやったと、今思えば確かに合点がいくニャン。

メル 何がニャンじゃ、かわいげない上に三味線にもできん🐈おっさん。ま、ええけど、あんたの幼少期の孤独感は、まさに、メロロンみたいな光景じゃなかったかなと思う。そりゃあなぁ、あんたや後の園長さんみたいに、これからの世を切り開いていこうかなんて人間は、そりゃあ、光と闇の両方を肌身で知っていないと到底仕事にならんわな。

名代 そらそうや。コウチョーセンセーとまで呼ばれた教員頭(がしら)のジイサンや牢名主のベテラン保母のバアサンなんかに同調しとってみい、人生詰んでしまうのがオチや。あのジジイやババアなんぞにワシを指導なんか、ハナから出きっこあったわけもねえんだよ。

メル そやそや。せーくんのその闘争心、実に大事や。私は、そう思うよ。

名代 わしをあの施設最後の2年間を直接担当した男性の児童指導員さんがおられてな、その人は実に、善良でいい人ではあった。だが、この御仁の情緒的な言動というのは、ワシを怒らせこそすれほのぼのした気分にさせることなどなかった。この御仁が云ったことで、一つ、忘れもせんことがある。

 わしのような人間を指導するためにそのベテラン保母のような職員を当てようにも、施設に金がないとか何とか。

 こいつ、どこまで無能なのだろうな。わしゃそう思ったで。

 ベテラン保母なら何とかなると思っている時点で、この職員は実に頓珍漢であるだけでなく、そこに施設経営の論理まで持ち込んだ。テメエの無能ぶりを他者まで巻き込んでさらに無能の上塗りか、呆れて物が言えなんだわ。

メル 頻りと無能って罵倒語が今出ているでしょ、それでいいの、あなたは。そういう闘争心がないと、あなたは今の立ち位置を確保できていない。

名代 そらそうや。そもそもそのようなベテラン保母で、当時高校生の年齢のワシのような人間を指導なんかできるか、ってことや。時代遅れのバアサンに何ができるんじゃこのボケ! と苦言を呈しておくと同時に、まして短大卒間もない若いねえちゃんらに丸投げしてその場を逃れようとしたおまえら幹部職員の仕事は二流半にもならんわと、前の前の阪神日本一の年のあの某園とやらを総括しとく。


メル せーくん、それだけ言えたらもうすっきりしたやろ。

名代 ま、まあな。あれで、わしゃ野球関連の本を読んで活路を見出した。

メル メロロンさんは、それにしてもかわいいな。この阪神のおっさんとちごて。

名代 せやな、ねえたま。みんなとお友達になりたい、だぜ。

メル メロロンはメロロンの闇が許せんというたやろ。

名代 うん。言うておった。

メル あんたは逆や。あんたの闇を、大いに褒めてあげたらどうや。

名代 あの親父さんをもってプロ入りできた長嶋一茂さん相手に落合三冠御大がおっしゃっているように、かよ。

メル そや、それ。そのイメージで、な。ちょっと、それでしばらく思考を巡らせてみんさい。あんたの闇があったからこそ、あんたの光が生きとるんじゃ。

名代 ねえ玉仰せの通り、ちと、やってみるわ。

                   (ぼちぼち、つづく)

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