第14話 真夜中の物書き

 夕方早いうちに飯を食い、酒を飲む。酒の力はすごいものである。宵の口にももう眠くなる。遠慮することはない。ここは一人で暮らす場所。無駄な係累の絡める余地などない。カラメルシロップはプリンにでもかけとけばよろしい。

 早いうちに、寝込んでしまう。仕方ない。眠否か何かをやったところでろくなことなどない。ましてや人と与太話などしているヒマなどない。あったとしても、それどころじゃないよ。

 とにかく、横になる。電気を切る日もあれば、そうでない日もある。時にはパソコンの電源が落ちないままの日だったないわけじゃない。ま、それでもいい。そんなときに限って、夜中に目が覚めます。はい。


 夜中に目が覚めたら、まずは、パソコンでルーティン。日付が変わる関わらないかの時間にも、そんな調子だ。もっとはやいうちにめがさめることもあるけど、そんなときは、残った酒をすすりながら、ひと鍛練。

 外はすでに夜。真っ暗闇の中。月夜の夜だからと云って明るいとは限らない。寓居の窓は東向き。月明かりがいつまでも明るいなんてことはない。かぐや姫が行き来しているわけでもあるまいし。あ、でも、久々にかぐや姫の歌、聞きたいね。こっちは十二単のおねえさまじゃなくて、おじさんたちの歌だけど。

 ま、いいや。


 田舎県の福祉と称する部門に依って孤児扱されて十余年。無駄に群れさせる環境にぶち込み、ゴミのような群れあいを福祉の名のもとに強要した者共をすべて排除し続けて得られた、この平穏。

 これは決して、与えられたものではない。天から降ってきたお恵みでもない。

 この平穏は、勝ち取って得られたものである。それをみすみす手放すなどというのは、自殺行為以外の何物でもない。それがたとえ、結婚や事実婚といった同居であったとしてもである。一人では寂しいだろうとホザく三流未満の相手などは当方の管轄ではない。他所でやっていただきたい。

 この寓居は、勝ち取って得たものを資本に、人類の歴史に刻むべきモノの生産工場でもある。くだらん犬猫レベルのじゃれ合いなど、人間のすることではない。そんなことをしておれば、生産すべき商品に欠陥が生じるのは必然。


 一人じゃないって素敵なこととか何とか、そんなことは大昔の白雪姫さんあたりに歌っていただければよろしい。この地では、そんなものは通用しません。

 勝ち取って得たものを粗末にするのは、論外。それを軽視してテメエの土俵に取り込もうとする家系乞食などは世界人類の恥であるから無礼討ちあるのみ。


 さあ、今日もしっかり鍛練した。夜明けまではまだ時間がある。

 少し休もう。電気を落として、横になろう。

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