第15話ー捕われの少女

【目に見えない縄】


諏訪男は、ためらいがちに震える体操着姿の美香の両腕を背中へと導き、そっとねじり上げて手首を重ねた。


抵抗は、ごく微かな熱のように彼の指先に伝わっていた。


美香の半袖シャツはわずかに捲れ、背中の起伏をなぞるように光が這った。ブルマの縁が太腿を締め、呼吸が乱れた。


美香の両腕は背中でぴたりと交差し、「指導」という「目に見えない縄」が存在するかのように、がっちりと後ろ手に縛られていた。


肘は鋭角に折れ、その姿勢が肩甲骨をくっきりと浮かび上がらせ、二つの乳房を強く前に突き出していた。


拘束されることで開かれる身体──その矛盾が、見る者の意識にじっとりと絡みついてくる。


「昭和の体操着」に包まれた彼女の肢体は、鼠径部から肋骨へと滑るように続く曲線が、少女の身体が未成熟さと官能性を同時に孕むことを暴き出していた。


へそから恥骨へと流れる、逆三角形の陰影――。


それは、白い半袖シャツに覆われた上半身と、紺色のブルマが包む下半身。その白と濃紺の鮮烈なコントラストによって、いっそう際立って見えた。


堂々と開かされた両脚は、内側から張り詰めるような緊張が走り、大腿のふくらみ、ふくらはぎの張り、太腿はいまにも弾けそうなほどに膨らんでいた。


その姿勢からは、彼女の「逃れようとする意志」が、むしろ甘美な従順として浮かび上がる。


諏訪男はいつまでも見飽きることなく、耽溺した表情で舐め尽くすような視線を美香に向けていた。


彼の視線は衣服を透かし、骨格を撫で、肉体を剥いでゆく。


【溶解した欲望】


美術準備室に降り注ぐ午後の光は、美香の身体を解剖台に固定し、その生のありようを残酷なまでに可視化する──


「もっと堂々と....脚を開いて」


開かれた腿間の暗部は、かえって深い闇として強調され、光との境界線に微かな震えを生じさせていた。


諏訪男の指先が、美香の開脚姿勢を「調整する」ふりをしながら、ブルマのナイロン地に刻まれた腿の皺をなぞる。


その動きは解剖学者のようであり、同時に密林を探索する探検家のようだった。


開脚を強いられた美香の太腿内側に、諏訪男の指が蛇のように這い上がる。


その動きは一見、「ポーズ指導」という美術教師の役割に隠された正当なもののように見えたが、その裏側には明らかに教育の枠を超えた何かが潜んでいた。


窓からの日差しが美香の開かれた股間を貫く。


その光は残酷なほどに鮮明で、ブルマのナイロン生地はもはや衣服としての機能を失い、生体を晒すための薄いヴェールと化していた。


太陽光は皮下3mmまで侵入し、大腿静脈の分岐を浮かび上がらせ、「公式指定」の紺色の体操着は逆光によって事実上透明化し、クロッチの縫い目は陰唇の形状に密着して、縫合痕のように皮膚に刻印される。


教育委員会が規定した「適正な覆い」は逆説的に性的想像を刺激し、運動機能を優先した設計は陰部の形状をさらに強調する。


諏訪男の瞳孔は3mm拡大し、彼の喉仏が不自然に上下した。

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