Ⅵ
毎月6日に悪魔に嘘をつき
毎月10日に天使のラッパを吹く
この世界のニンゲンは誰しもなにかに嘘をついていてなにかが欠けていた
ぼくは悪魔に魂を売らなくても済む方法を思いついた
〖ここで目が覚める〗
悪魔はいつも魂を寄越せと言ってくる
いやなにこれは別にぼくのではなくてもいいのだ
豚でも犬でも猫でも他人でも魂 というものが手に入ればこの悪魔は満足するのだと思った
正義と悪がせめぎあった副産物は破壊でしかない
これは人類のDNAに刻まれた聖書のような言葉である
これはぼくたちがニンゲンである以上どうにも変えることできない運命のようなものでもあるらしい
〖ここで目が覚める〗
天使も昔はニンゲンだったのだと思う
エノク語を話す者が天に登った
これを死と呼ぶ
エノク語を話す者はこの世から消えた
このようなことがあってニンゲンはエノク語を話す者を天使だと名付けたのだろう
ニンゲンというのはいつの時代も見えない何かに縋りたがり信仰したがる
天使もただのニンゲンだったというのならニンゲンはニンゲンを尊重し合い嘘などつかずに生きていけるのではないかと思った
これはまた別の話になるらしい
〖ここで目が覚める〗
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