(10)
チャイムの音。
チャイムの音。
また、チャイムの音。
更にまたチャイムの音。
乱暴にチャイムを連打してるのが丸判りなチャイムの音。
うるせえな……。
何時だと思ってんだよ?
10時半だぞ……夜中の……じゃなくて朝の……朝?
しまった。
水原のフェミ洗脳を解く為に、頑張り過ぎたせいで……寝過した……。
諂曲さんが紹介してくれた新しいアシスタントさんが来たのか?
マズい、諂曲さんから頼まれてた金を下してない。
どうしよう……まだ、間に合うのか?
「は……はい……」
「あの〜杉本の阿呆から頼まれて来たんやけど……」
杉本?……誰?
それに何だ?
女の声なのに、男口調って?
「誰ですか、杉本って?」
「おい、金渡さんと、あの阿呆を山に埋めるで」
「だから、杉本って誰?」
「杉本
玄関を開けると……そこに居たのは……ヤカラ風の20代ぐらいの男女2名。
「おい、早よ、金渡せや。言っとくが、警察に連絡したり、俺らが12時までに事務所に戻らんと、杉本の命は
「あ……
おい、何だ、これ?
良く有る「良い警官と悪い警官」じゃねえか。女の方が「悪い警官」役ってのが……ちょっと斬新過ぎるが……。
「ああ、そうだ、あんた……漫画家だってな……利き手はどっちだ?」
「えっ?」
謎の質問に、思わず……。
右手を少し動かしてしまった。
その右手に視線を向けてしまった。
そして……。
……ペキっ。
……ペキっ。
「ぎゃあああああッ‼」
「近所迷惑だろうが、ゴルァッ‼躾の成ってねえオッチャンだな、おいッ‼」
ドゴォッ‼
あっと言う間に右手首を掴まれて、人差し指と中指を折られ……。
痛みの余り、叫びを上げた途端に……股間に蹴り。
「おい、杉本の阿呆は、この程度じゃ済まさんからな。あいつの命が惜しけりゃ、早よ、金払え。あいつは、お前が銀行から下ろせるだけ金を下してる筈だって言ってたぞ」
な……何なんだよ一体……?
「おい……金無いんなら……ちょっと上がらせてもらうで」
「えっ?」
「あんたんとこ、金目のパソコンとか有るんやろ?それを、全部、俺らが没収する。何か、すげ〜
「い……いや……待って下さい。そんな事したら、仕事が出来な……」
「そこは安心せい」
「えっ?」
「あんた、たしか、漫画家やろ?うん、パソコンが有っても仕事が出来んようにする為に、利き手の指を折ったんや。これで、パソコンは
そんな無茶苦茶な理屈有ってたまるかッ‼
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