せめて追放で勘弁して──弱気過ぎる後方支援系魔法使いの末路──
@HasumiChouji
プロローグ
ふにゃふにゃ♪
古代の闘神像のような筋肉美を誇る肉体の股間にブラ下がっているそれは、フニャチンと呼ぶには、余りに大き過ぎた。
長く、太く……だが、完全に勃起力を失なっていた。
「て……てめえ……よくも、俺のハニー達を……」
「あ……あの……リーダー……ここ町中……」
「うるせえッ‼」
男娼屋から全裸で、大剣(ナニの暗喩ではない。本物の剣だ)を一本だけ持って俺を追い掛けてきた、そいつは、そう叫んで剣の鯉口を切った。
な……なんで、こんな事になってしまったんだ……。
お……俺は……あんたの言う通りにしてきただけだぞ……。
ただ、ちょっと……気が弱かったせいで、俺の魔法の副作用を教える事が出来なかっただけで……。
しかし……この怒り狂った大男を鎮圧する手段は俺には無い。
なにせ、俺が覚えてる魔法は後方支援系のが、ほとんどだ。
俺が使える攻撃魔法は有るには有るが、こいつ相手では、ドラゴンにドングリを投げる程度の効き目しか無いだろう……。
かと言って、逃げるのも無理。
さっき、コケた時に足をくじいた。
どうする?
どうする?
どうすれば……。
ええい……イチかバチかだ……俺は筋力増強の魔法を使った。
ただし、使う対象は俺じゃない。
そもそも、この馬鹿馬鹿しい事態の原因は、俺がこいつをリーダーとする冒険者パーティーの裏方メンバーだった頃に遡る……。
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