エンブレム 🚙

上月くるを

エンブレム 🚙



六月の朝日に床の木目かな

起き抜けの水じゆんじゆんと青蛙


朝十度昼三十度桑いちご

川底に赤き葉一つ三光鳥


雨あがる雨の匂ひの濃紫陽花

少年のアーモンドの目夏の雲


風吹けば散るにまかせて虞美人草

地に腹を見せたる猫やアマリリス


白波に青鷺の瑠璃沈潜す

一望に街を俯瞰の青葉山


夏草やここから入る野麦道

百曲りたうげ氷室の桜咲く


降りて行く枝から覗く谷若葉

水ゆたか地味を頼りに夏の蝶


鮭弁の鮭のうすさよ古古古米

主人とは犬も言はぬに羽抜鶏


麻服の皺ごと老いてゆかんとす

のぞきめがね姥捨山も寒からむ


ハンドルのエンブレムにも夏の星

つるつるのパジャマで泳ぐ夏蒲団




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