ちょっと待って、っていいたくなるやつです。
すごい構えるじゃないですか。祟り神ですよ。祠と封印、やぶっちゃうんですよ。もう涙目でページ送るに決まってるじゃないですか。禍々しき念を抱えた怨霊がどよーんって出てきて、でもヒーローの真摯なあれこれでこころが解きほぐされてみたいなやつですよねうううがんばりますってなりますよね。
ぜんぜんちがいました。
でも、やっぱり泣きました。
祟り神さま、可愛すぎて、健気で、そうして、あったかくて。
悲劇を抱えて身を投げたというのに、百五十年ぶりに蘇ったというのに、自分のことよりひとのことばかり心配する祟り神=ヒロイン、澪。どこかゆるくてふわふわで、戸惑いながらも現代のものごとにそれなりに慣れていく様子が可愛くて、そうして、ほんとうにほんとうに健気で。
とある目的のために契約婚としてそんな澪を手元に置いた冷徹イケメン御曹司=桐吾ですが、本人も戸惑ううちにどんどん澪に惹かれていくのです。
ふたりが見合う視線は、互いの負うものの半分を肩代わりしようというように。
伸ばす指先は、過去ではなく未来へ手をとって、歩くために。
読後感をかんたんに述べます。
好き。
愛せちゃう。
さ、ほら。
行きますよ。
こんな世界をしらずに帰るのは、もったいない。