第54話 対決!鈴木君
鈴木君とのタイマンボクシングの後、私は岡本軍団の一員になれた気がしていた。
相変わらず渉はパシリで忙しそうだった
私は渉が可哀想に見えてきて、渉がパシリに行く時にはついて行くようになった。
一緒にジュースを持ってあげたり、誰がどのジュースだったかなどを一緒に覚えたりした。
万引き?が得意だった私はこの頃から、あるお金の稼ぎ方を思い付いた
私が渉の代わりにパシリに行って、その品物を万引きする。そして、もらったお金を自分の小遣いにするという方法だ。
ジュースは販売機で買うことが多かったから、CDや、本だったら渉に
「あ、俺買ってきたるわ」
と、言っては買いに行ってはもらったお金を小遣いにした。
ある日、施設の部屋で鈴木君に問いただされた
「雨夜、オマエ万引きしてるんちゃうんか?アイツらとはつるまない方がええんちゃう?」
私は、
「カラスには関係ないやんけ」
と言ってカラス、いや、鈴木君の体を押して部屋を出ようとした時だった。
鈴木君は私の体を後ろから蹴ってきた
私はびっくりして
「痛っ!なにすんねん!」
と、鈴木君に言った。
「オマエな、この前は勝ったつもりでおるんやろうけど、お前には負けへんで!」
鈴木君は、そう言いながら私の髪の毛を掴んで立ち上がらせようとした。
私は痛みで顔を歪めながら
「離せよ!」
と言いながら鈴木君の腹を殴ったり髪の毛を掴んでいる手を取ろうととしたが、鈴木君の手は離れない
私は掴まれている髪の毛をなんとか振り払いたくて頭を鈴木君の顔目掛けて頭突きをした
頭は鈴木君の顎のあたりに当たって、今度は鈴木君が痛みで顔を歪めながら私の髪の毛を離した
その隙に私は、鈴木君の首を腕で締めあげた。だが、私が鈴木君の首をヘッドロックで締めていると、私の頬に爪を立てて引っ掻いてきた。
すかさず私は顔をのけぞってかわしていると、口の中にまで手を入れて爪を立ててきた。
痛みで私はヘッドロックを外し、お互いは向かい合うように立った。
口から血が出てくる…
口の中の血を唾を吐くようにペッと、出していると
廊下で喧嘩していたハズがいつしか、学園を仕切っていた道夫君の部屋に入っていた。
鈴木君は、
「おい、唾吐くなよ。ここ、道夫君の部屋やぞ!」
と私に言った
「そんなもん関係あるか!」
と、私は血を吐きながら言った。
と、その時!
「コラ!お前ら何やってんねん!」
と、道夫君がたまたま廊下を通りかかった。
「すいません!今拭きます」
と言って鈴木君は私が吐いた血を拭き始めた
「なんや、雨夜。お前鈴木にやられたんか?」
と道夫君
「いや、別にちょっと遊んでたらお互いやり過ぎて」
と、私。
「あんま調子乗っとったらあかんで。鈴木もな。」
と道夫君は言って去っていった。
あのまま鈴木君とやり合っていたら私は負けていたかもしれない。
そう思いながら鈴木君と一緒に吐いた血を拭いた。
そして、私の小遣い稼ぎが指名手配に変わろうとしていた。
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