第50話 ウォークマン
ウォークマンってもうないんかな?
さてさて、今日はそんかウォークマンについてのエピソードです。(ウォーズマンじゃないよ!)
私はその日、ホームセンターのコーナンに向かっていた。
コーナンには安いウォークマンが売っていると聞いたので見に行った。
当時、SONYとかのウォークマンは1万4~5千円もした。
だが、コーナンに売っている遊歩人というメーカーは4~5千円だった。
見た目はSONYとくらべると、全然悪いけど(笑)
だが、施設生活の私にはそんな金はなかった。
思いたったのが万引きだった。
俺はウォークマンを手に取ると、店員の見ていない隙を見て学校の鞄に、それを入れた。
なんとか、バレずに店を出ることができた。
公徳学園に帰り、さっそくそのウォークマンで流行りの曲をダビングしたカセットテープをセットして聴いた。
少しすると、寮の若い女の職員の井上先生が、見慣れないものを持っている私に
「優里、そんなもんどうしたん?」と、聞いてきた。
職員の問いかけにしどろもどろになっている私…。
ど…どうしよう…。
井上先生に聞かれた私は
「外泊した時に持ってきました。」と、嘘をついた。
まぁ、万引きしました…と言うやつもいないだろう。
井上先生は
「そんなもの許可してません!!預かっときます」
と、言ってウォークマンを取り上げた。
私は腹がたったが、また万引きすればいいか。と考え直した。
次の日、また、同じホームセンターのコーナンに行った。
昨日、成功していたので今回は難無く鞄にウォークマンを入れた。
そして、外に出ようとした、その時だった。
「ちょっと!鞄の中を見せなさい。」
私服警備の人に声をかけられた。
腕を掴まれた私は観念した。そして事務所みたいな所に連れていかれた。
「君、制服で昨日も来ていたから見張ってたんだよ。」
と私服警備の人に言われた。
「初めてか?」
と、聞かれて私は、コクっと頷いた。
「家の住所と学校を言いなさい。」と言われて私は
「家は四條畷。」
と答えると、警備の人は
「嘘はアカンぞ!学校は?」
と聞かれたので
「学校は意岐部中学」
と答えた。
「嘘を言うな!四條畷が家で学校が意岐部中学なわけないやろ。」
と警備の人を怒らせてしまった。私も腹がたってきて
「嘘なんか言うてへんは。家は四條畷やけど今は施設やから中学は意岐部なんじゃ」
と言い返した。
店側は110番していたみたいでまもなくして警察官がきた。
私はパトカーに乗せられた
行き着いた場所は布施警察署の少年課だった。
調書が終わった頃、公徳学園の河野先生が来た。
万引きをした理由を聞かれた。
私は
「昨日、井上先生に取り上げられたから、どうしても欲しくなったから万引きした」
と、答えた。
後で、ウォークマンを取り上げた井上先生が来て
「昨日私がウォークマンを取り上げたから腹いせにやったってホンマなん?どーしよーもない子やわ」
と言ってきた。
私はその職員に責任転換して嘘をついた。
それは、すごい悪かった…とすごく反省している。
良い子のみんなは嘘をついたり万引きしたりしないよーにしてくださいね。
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