第36話 ラブレター?

 時は流れて中学一年生の冬。


 2学期も終わろうとしていたある日のことだった。


 よく遊んでいた竹之内(イケメンではない)こと、たけのーは、違うクラスの御園さんって女の子と仲良くしていた。


 私は女友達があんまりいなかったから、最近太り気味のたけのーに限ってありえへんわぁ~って思いながらも羨ましがっていた。


 すると、御園さんの友達の板敷さんも一緒に遊ぶようになった。

 遊ぶと言っても、ただ、話をしたりするくらいだったんだけど…。私は板敷さんのことをたけのーに

「ちょっとえぇ感じやなぁ。まぁまぁ可愛いし…」


 と話していたら、たけのーは、


「ほんじゃ、告っときぃや。」


 と言われた。



 思いたったら行動の私は、その日の放課後に板敷さんを呼び出して顔を真っ赤にしながら


「す…ス…Su…好きです」



 と言うのがやっとだった。



 板敷さんも恥ずかしかったのか



「うん。ありがと。」



 と言って走って行った。



 次の日、板敷さんから手紙を貰った。


 内容は



 "TO雨夜

 いきなり「好き」って言われてびっくりしたけど、私も雨夜のこと好きやから。

 でも、この手紙絶対誰にも見せないでね。恥ずかしいから。

 From 板敷 恵美"


 と、書いてあり、嬉しくて嬉しくてたけのーに手紙をみせた。



 たけのーは



「うぉ~!!両想いやん!よかったなぁ。」


 と喜んでくれた。



 ただ、これは咲かない花が実を作っただけにすぎなかった。

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