第34話 竹節骨折?

 野球部に入ったはいいが、万年補欠の私は当然、球拾いや、ランニング、筋トレばかりだった。



 特に、走ることは苦手だった。だって…疲れるやん?



 四條畷西中学校の生徒なら誰でも知っている「岡谷周り」



 多分、2㌔あるかないかのランニング何だけど、上り坂があり…それがしんどかった。


 まぁ、そんなこんなで、大谷先生の贔屓という噂もあった同じクラスの川口君や、違うクラスの森木君がボールを触らせてもらうようになり、バッティング等するようになっていた。


 レギュラーは大体3年か2年生の一部だったが、川口、森木の2人は一瞬だが、試合にも出るようになっていた。

 同じクラスの根木、谷、東原こと、とーちゃん、私たちは相変わらず球拾いだった。


 ある放課後の出来事。


 学校の校舎の入口には、階段と、スロープが付いていた。

 スロープはグラウンドに面していてグラウンド側から見ると、高いところは2㍍ちょっとはあった。



 その当時、ある野球選手が私たちの中では憧れだった。



 私は、そのスロープの塀の上に乗り、その選手の真似して投げるような仕草をとった。



 その時、後ろ足にあるはずの塀がなく、私の足は空を踏んでしまい、あっけなく重力に従い体は腕から地面に着地した。



 と、同時に激痛が走り、冷や汗で額を濡らした。



「大丈夫か?」



 という、声も聞こえたけど、痛む腕を抱えながら、ヨロヨロと保健室に歩いていった。


 保健室の先生は



「折れてるかもしれないから病院に行った方がいいよ。」



 と、言った。



 学校から家に連絡してもらい、典子叔母さんが学校に迎えに来てくれた。



 典子叔母さんは免許がなかったから自転車に乗って来てくれた。


 今も覚えてるけど赤い自転車。


 そのケツに乗り、近くの病院まで連れていってくれた。



 病院では、他に骨折していた患者さんがいて、先に診察室に入っていった。


 すると…



「ぎゃー!」


 とか



「いってぇ~」



 とか叫んでいる声が聞こえた。



 私は、



『やべぇ~…痛そう…泣いたらどうしよー』




 などと考えていたら



「雨夜さーん!雨夜優里さーん。」



 と、爽やかな看護士さんの声が聞こえてきた。



 私は



『悪魔め!!爽やかな仮面を被った悪魔めぇ!!』




 と心の中で叫びながら診察室に入っていった。



 病院の先生は、いきなり痛い方の腕をおもいっきり引っ張ってきた。



「いってぇエEe」



 と、叫んだが、痛いのはそれだけだった。



 レントゲンを撮り、ギプスをつけられた。


 レントゲンを見た病院の先生は



「これは竹節骨折だなぁ」



 と言った。



 私は



「武富士?骨折?」


 金は借りとらんぞ?

(恐らく、今の子は知らないだろうな)


 意味が解らなかった(笑)



 その日は、痛みで眠れなかったが、次の日には痛みも和らいでいった。

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