第22話 バレンタインデーの出来事②
石井さんと、その腰巾着女の子に貰った包みを開けて驚愕!!
宝箱(包み)の中身は、なんと……ミミックだった…(ToT)
いや…空っぽだった!
あ、いや、コレ…ホント。
2つの包みは空っぽだった!
「くっそぉ~!!騙されたぁ…。純情な男心を踏みにじりやがってぇ~」
と、私は叫んでいた。
まるで
「ここまで私をコケにしたおバカさんはあなたたちが初めてですよ。許さん!絶対に許さんぞぉぉ~!この虫ケラどもめ!」
と、ドラゴンボールのフリーザのセリフと同じ気持ちになった。
はぁ…はぁ…。(´Д`)=3
説明が長すぎた。
そして、腹癒せに?家でファミコンに耽っていた時だった。
ピンポーン♪
と家のチャイムが鳴った!
まるで私の気持ちに油を注ぐようなけたたましく明るい音だった。
少しして昭代伯母さんが
「優里。あんたにお友達やでぇ。可愛い子やん♪」
と言って私を呼んだ。
ファミコンに熱中していた私は
「誰やねん!こんな大事な時に水を差しやがって。」
と思いながら、舌打ちして玄関のドアを開けると、そこには本命の香が、俯きかげんに立っていた。
「コレ。…あげる。」
と、恥ずかしそうに小さな紙袋を私に差し出した!
私はそれを受け取ると香は恥ずかしそうに走って帰っていった。
香のそれは、まるでベホマラーをしてすぐに逃げていくごくらくちょうのようだったw
ドラクエネタすいません
袋にはしっかりとした重みを感じた。
『にくいねアンタ。重力もにくいねぇ~。』
まるでちびまる子ちゃんが言うように、もうひとりの私が、私をからかった。
「おぉ~!!今度はちゃんと中身があるっぽぃ。や…やったぁ。」
と思わず叫んだのは言うまでもない。
3年生の時くらいに拾ってきた犬のコロン(オス)もワン!っと言って喜んでくれた。
↑この辺は赤川次郎っぽいかな
その叫び声に春徳伯父さんが気付き
「なんや…おまえ、チョコ貰ったんか?よかったなぁ。」
と言ってくれた。
今度は昭代伯母さんが言った。
「それを貰うってことは、どういう意味か解ってんのんかぁ?」
「うん。なんとなくやけどなぁ…。」
と、私は答えた。
素直に言うのが恥ずかしかったからだ。
「ちゃんとお礼せなあかんで!」
と昭代伯母さん。
近くにいた弘美姉ちゃんが
「はぁ~!?優里に渡す子がおるん?変わった趣味やなぁ。」
と嫌味を言ったのを聞いてないフリをしながら部屋に戻ってゲームの続きをした。
今の私からすれば、従姉妹でひとつ屋根の下で家族みたいに暮らしてりゃ私のかっこよさも姉ちゃんには解らなかったんだろう。
可哀相に…と思う。
そうさっ♪私はかっこいいのさ!
どうもすいませんm(__)m
調子にのりました!
香からもらった紙袋の中には、ハート型のチョコ2枚とヤクルト(何故?)とチュッパチャップス3本と、普通の飴ちゃんが数個入っていた!
「なんで?」
って感じもあったが、気持ちはとても嬉しかった。
次の日に学校へ行くと、石井さんと、その腰巾着女の子が私に会うと言ってきた。
「チョコ食べたぁ?」
私はチョコを食べたことには違いないから
「おぅ!食べたわ。ハート型のチョコ2枚。」
と、答えてやった!
すると石井さんたち2人は顔を見合わせて不思議そうにしていた。
「あ…、そうそう。おまえらふたりのは空っぽやったぞぉ!」
と付け加えてやった!
すると、
「ごめんなぁ。冗談やってんけど、悪かったなぁと思ってチロルチョコやけど買ったから受け取って?」
と、言って当時10円だった、サイコロのようなチョコをふたつ渡してきた。
「なんや。反省しとったんかぃ。んじゃ、これで許しといたるわ。」
と、私は言いながらチョコを受け取った。
ふたりは
「あ~!…めっちゃ偉そう。あげへんかったらよかった。」
と、私の背中に向かって言っていた。
そして、3月14日。
世の中にはホワイトデーというのがある。
当時、そんな日があることをマジで知らなかった…。
昭代伯母さんには
「ちゃんとお礼せなあかんで。」
と言われていたから次の日に香に
「昨日ありがとうなぁ。美味しかったよ。」
とは言っといた。
ある意味「お礼」である。
昭代伯母さんの言うお礼とはホワイトデーの事だったとは思いもしなかった。
3月14日というと、誕生日までもうすぐだから、何もらえんのかなぁ?と頭はそっちの方に行っている。
だからホワイトデーは返してません。
お蔭様で翌年のバレンタインデーは0個です。
ちなみに、今度は香さんに貰ったチョコはその日に2枚とも食べたんだけど、飴ちゃんとヤクルトは、2月終わりくらいにインフルエンザにかかって寝込んでしまい、何も喉を通らない時に、おいしく戴きました。
そう。
松本香さんのプレゼントがのちの栄養補給になるとは思ってもいませんでしたとさ。
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