第2回「夏やすみ」
(ピッ、ピッ、ピッ、ポーン)
みなさんこんばんは。深夜1時、不機嫌ラジオの時間です。パーソナリティはワタクシ、玻璃乃ムシロです。今夜も最後までお付き合いください。
外は雨……ずっと降ってるんですよね。雨降って地固まるっていうけど、ずっと降ってたら固まる暇がないっていうかね。今日は、そんな地面みたいな、ゆるゆるした感じでやっていければと思います。
――今日は、って、いつもゆるゆるだと思いますけど……
そう? そんなことないでしょ。それなりに計算された番組進行を心がけているからね。こう見えて、きちんとやらないと気が済まない性格なんです。そういえば、また不機嫌ラジオの放送エリアが広がったんですよね。初めて聴いてくれてるリスナーもいるのかな。はじめまして。
この番組は……そうですね、自販機のおつりで出てきた10円玉にギザギザが付いてた話とか、カラオケでクリームソーダが15杯来ちゃった話とか、そういうことをダラダラと喋ります。何かやりながら聞き流すにはちょうどいいかもしれないし、寝落ちしながら流しっぱなしにするのもいいかもしれないね。あと、リスナーのみなさんからのメッセージも紹介します。ただの愚痴でも、誰にも言えない秘密でも、なんでも送ってください。
で、今夜のゲストは……誰だっけ?
――ツミノさんです。
そうそう。今日のゲストコーナーには、作家の摘野一色さんが来てくれます。こないだ発表された新作のことなんかも聞いてみたいと思ってるんでお楽しみに。ツミノさんへの質問もどしどし送ってください。
さて、今回のメッセージテーマは「夏やすみ」。ヒューマンには、夏やすむ者と、夏やすまざる者の2種類しかいないっていうけど、あなたはどっち側のヒューマンですか? やすんだヒューマンも、やすまなかったヒューマンも、暑い時間を過ごしたという意味では一緒。そういう意味で、ヒューマンは生まれながらにして平等といえるのかもね。
――リスナーさんからのメッセージ、暑苦しいのがたくさん来てますよ。
みんな、すごいよ。こんなに暑いのにメッセージを送ってくれるなんて。私だったら絶対ムリ。メッセージなんか書く気もしないし、送る気もしない。喋る気もしないし、ラジオなんてやる気がしない。だから、今日はもう帰っていいですか。
――帰らないでください。
まあでも、聞いてくれてるリスナーのためにも頑張らないとね。それじゃあ、みなさんの暑苦しいメッセージ、紹介していきましょう。ラジオネーム「鷲田文学賞」さんから。
《ムシロさん、こんばんは。石の上にも三十五歳、常夏のココナッツボーイこと、鷲田文学賞です。
ムシロさんは滝行やったことありますか? 小生はこれまで、どれだけ暑くても、滝にだけは手を出すまいと思って参りました。しかし、どうやら今年の猛暑っぷりは、かつてなさすぎ状態らしく、このままでは脳が茹ってしまうと。茹だらないようにするには、どうすればいい? 小生は、三日三晩、飲まず食わずで考えました。でも、熱中症が怖いので水は飲みましたし、夏バテにもなりたくないので、しっかり食事は摂りました。すると、閃いたんです。
そうだ、頭の中には流れがなく、溜まり水同様である。淀む水には芥溜まるといいますし、このままではいけない。頭の中、いや、身体中に流れを感じたい。これは滝しかないんじゃね? って思いまして、やって参りました。滝行を。
しかしまあ、滝はすごいです。頭頂部だけでなく、肩、いや、もう身体全体? 激しく水を打ち付けられ、何なら口の中にまで入ってきまして、暴れる水に頬をベコベコ揺らされながら確信致しました。
ディス・イズ・マイライフ。生きるって最高。そして、暑いと感じるのは、生きてるってこと。清々しい気持ちで辺りを眺めると、滝壺から小生の頭頂部に向けて、虹の橋が架かっているように見えました。小生の頭が、この母なる大地と繋がったのかもしれませんね。ありがたいありがたい。
毎日暑すぎて、ムシロさんもラジオやりたくないって思ってしまうかもしれませんが、そんな時こそ、滝でライフを感じてみてください。では、タキ・イズ・マイライフ、タキ・イズ・ユアライフ》
ってか、ラジオやる気がしないって言ってるの、バレてるんだけど。なにそのエスパー能力。滝に打たれて目覚めちゃったとか?
私、滝行はやったことないんだけど、滝分けのバイトやってたことがあって。
――何ですか、滝分けって。
滝分けっていうのはね。滝のそばに立って、1メートルごとに手で滝を切るの。……シュパッ、……シュパッ、みたいな感じで。
――なんでそんな事するんですか……
国の機関から依頼が来るらしいよ。だから、よく分からないけど大事な仕事ってこと。昔は全国に2000人くらい滝分け師がいたらしいんだけど、今ではずいぶん減ってしまって、残っているのは14人しかいないらしい。でも、誰かがやらなきゃいけない仕事だからね。みんな、頑張ってやってるんだよ。
でね。ある日の依頼が300メートル級の大きな滝で。幅も大きいし、落ちてくる水の勢いがとにかくすごいの。素人がやると、シュパッとするどころか、手の骨が折れちゃうし、滝壺に引きずり込まれてしまう。
恐る恐る滝に手を伸ばしてみたら、ゴォォォォ……って、ものすごい勢いなんだよ。手に新幹線がぶつかったのかと思った。すぐに避けたから滝壺に飲まれることは無かったけど、怖くなってしまって。もうやめたいと思ったんだけど、でも、ここで滝を分けなきゃ、みんなを守れない。そう思って、頑張ることにしたんだよ。
――なんなんですか、そのバイト……
いつも通りシュパッとすると手が潰されてしまうし、最悪、滝壺に引きずり込まれちゃう。だから、違うやり方を考えなきゃいけない。深呼吸をしてから、ふと目をやると、滝壺から私の左手に向けて、虹の橋が架かっているように見えたんだ。
――えっ、それって「鷲田文学賞」さんと同じじゃないですか。
ディス・イズ・マイライフ。生きるって最高。そうして、ついに私は滝を分け遂げた。私のこの手が、母なる大地と繋がったのかもしれませんね。ってことで「鷲田文学賞」さん、暑苦しいメッセージをどうもありがとう。ちなみに、頭の中の水は循環してるらしいよ。
さて、次のメッセージは、ラジオネーム「直球着拒許可局」さんから。
――あれ、「着拒許可局」さん? ラジオネーム変えたんですね。
《ムシロさん、こんばんは。夏といえば夜ですね! つまりは何が言いたいかというと、夏は気持ちがいいってこと。
月が出てる夜もいいし、真っ暗な夜でも蛍が飛んでるのを見ると、きれいだな〜って、思わず感動しちゃうよね。一匹、二匹と、じんわり光りながら、ゆらゆらと飛んでいくのも最高。突然、雨が降ってきて、ランニングシャツはベタベタ。じっとりと雨が染み込んできて、汗と混ざり合う。なんだろう、この不思議な気持ち。これが夏ってこと? というわけで一句。
雨水や シャツに沁み入る 汗と夏
というわけで、夏やすみを感じる出来事でした。BYE!》
あのさ、なにカジュアルに枕草子パクってるの。しかも最後の解釈は変。清少納言は絶対にこんなこと考えてなかったと思う。でも、暑いからってクーラーの効いた部屋にこもってるだけじゃなくて、外に出て夏を感じてみようって姿勢はいいね。心頭滅却すれば火もまた涼しっていうし、夏のど真ん中に飛び込むことで涼を感じるみたいな、そういうふうにありたいよね。人として。ヒューマンとして。
――衣類のベタつきを感じる、暑苦しいメッセージですね。
では、この辺で曲に行きましょう。今回は、売れに売れているユイーツの新曲『Go My Darling, So Sweet』です。この曲は私も気に入ってて、ついつい口ずさんじゃう。「ソゥ、スーゥッ」のところ、うまく歌えると気持ちいいよね。曲の後は、ゲストコーナーでツミノさんが登場します。新作のことはもちろん、作家としてのツミノさんの内面をグッと掘り下げてみたいと思っているので、お楽しみに。
それでは聴いてください、U Eats Moony で『Go My Darling, So Sweet』
Go, Go, Go,
Go, Go, Go, Go,
Go Ma Da Le (So Sw)
Go Ma Da Le (So Sw)
Go Ma Da Le (So Sw)
Go Ma Da Le (So Sw)
Boil the pork, dip it in
Go Ma Da Le sauce,
that's the best way to eat it.
It's delicious.
You can put it on salad.
You can eat it with noodles.
It's delicious.
Go Ma Da Le (So Sw)
Go Ma Da Le (So Sw)
Go Ma Da Le (So Sw)
Go Ma Da Le (So Sw)
Go Ma Da Le sauce and Go Ma Do Le sauce.
These are completely different.
I really, really love Go Ma Da Le sauce.
Ms. Kurihara also makes it.
Why don't you try making it yourself?
There are recipes available.
On the internet.
Go Ma Da Le (So Sw)
Go Ma Da Le (So Sw)
Go Ma Da Le (So Sw)
Go My Darling, So Sweet.
はい、それではゲストコーナーです。
今日のゲストは、作家の摘野一色さんです。
「はじめまして、ツミノです。今日はよろしくお願いします」
ツミノさんは、最近『Terra』という小説を発表されました。私も読ませていただいたんですけど……正直言って眠れなくなりました。なんというか、打ちのめされたような……
「そう言っていただけると嬉しいです」
『Terra』の話も、後でじっくりお聞きしたいと思います。というわけで、まずはプロフィールから紹介しちゃいましょう。
小説をはじめ、エッセイやコラムの執筆、各種メディアへの寄稿など、幅広い分野で活躍中の摘野一色(ツミノイシキ)さん。デビュー作『コンヌツワ』で最年少にして星海文学賞を受賞。現在では、アメリカ、ドイツ、フランスなど、世界各国で翻訳され、海外からも多くの反響を集めています。
6月に出版された『Terra』は、サンダルノミー国際文学賞のSF部門に早くもノミネート。尊重舎の「いま眩しい若手作家10人」にも選出され、ますます目が離せない存在です。
『Terra』、私も読みましたが、発表されるや否や、あっという間に話題作になっちゃいましたね。
「こんなに反響をいただけるなんて、思ってもみなかったので、正直、本当か? という気持ちが抜けないですね。『Terra』は、カステラを積み上げて宇宙を目指す人々を描いた作品で、宇宙という大きな枠組みの中で足掻く、小さくて非力なヒューマンの物語です。人間は、大地に縛られているからこそ、空に希望を見出そうとする。でも、そこに至るためには、さまざまな困難への対峙とコペルニクス的転回が必要になる。小さな存在が、どう向き合い、どう乗り越えるか、そこに狂おしいまでのドラマがある。『Terra』には、常軌を逸する人間がどんどん出てきます。そういった人々の足掻きと生き様を、じっくりと味わっていただけると嬉しいですね」
常軌を逸する、まさにそんな感じ。乗り越えられない壁に食らいついて、無我夢中に足掻く姿は、狂っているようにも見えちゃう。なんか、すごかったです。
「でも、その足掻きがあったからこそ、次のカステラが積まれた。狂気の積み重ねが、結果としてカステラを積み上げていくわけです」
そう、ものすごい数のカステラが出てくる作品なんですよ。でもツミノさんはカステラ……
「嫌いですね」
カステラと狂気を並列で説明されることなんて、なかなか無いと思います。でも、ツミノさんの作品って、カステラがよく出てきますよね。『コンヌツワ』では、カステラ事故のシーンがあったし、『六本木パピプペポ』でも、要所要所でカステラが邪魔をしてきた。嫌いなのに、なんでこんなにカステラ書いちゃうんですか。
「確かに、単純に嫌いというより、どこか執着めいたところはあると思います」
ツミノさんがカステラに抱いてる感情は、エッセイ集『朝から甘い』にたっぷりと書かれてますよね。
「はい。実家が駅から徒歩37分くらいのところにあるカステラ工場で。幼少期からカステラの甘い香りに包まれて育ちましたね。朝起きてから寝るまで、いや、夢の中まで、カステラの甘い香りに包まれて過ごしました。甘いものがあまり得意じゃなかったこともあるんですが、毎日の生活の中で、すっと甘い香りがしているのは、かなりストレスでした」
楽しい時も、辛い時も、ずっと同じ匂いがしていたわけですよね。ってことは、カステラの甘い香りを嗅ぐだけで、いろんな記憶が蘇ってきそう。
「それでも騙し騙しやってきたんですが、いよいよ耐えられなくなって、大学進学と同時に実家を出て、一人暮らしを始めました。引っ越しが終わった後、部屋で深呼吸をして、無味無臭の空間というのは、こんなに清々しいものなのか、と感激した記憶があります」
その当時も文筆活動はされてたんですよね。環境が変わったことで、一気に筆が進んだんじゃないですか。
「ところが、思うように文章が書けなくなってしまったんです。今日読んで明日には忘れてしまうような、無味乾燥な文章しか書けなくなって」
えっ、そうなんですね。
「どうしたものかと悩みました。これまで取り組んでこなかった手法を実践してみたり、畑違いだと思っていたような技術や知識も貪欲に吸収しようとした。それでもダメでした。ところが、当時、アルバイトで、ある雑誌の食レポコラムを書いていたんですが、偶然、その日の取材でカステラを食べ歩くことになってしまって」
まさかのカステラ登場。運命のいたずらを感じますね。
「香りを嗅いだ瞬間、ゾクゾクする感覚が全身を駆け抜けて、嫌悪感が込み上げてきました。でも、仕事だから、逃げるわけにはいかない。目眩のようなものを感じながらも、なんとか取材をやり遂げて、家で執筆に取り掛かりました。すると、驚くほど滑らかに筆が進んだんです。心の底から込み上げるような感情の波が、そのまま文章になっていく。その時、気づきましたね。私はカステラに書かされていたんだって」
これまで嫌悪して、逃げ出したいと思っていたものが、知らず知らずのうちに、自分の人生にとってかけがえのないものになってたんですね。
「私はカステラから逃れることは出来ない運命なのだから、抗うのではなく、カステラと共に歩んでいくことが、自分に与えられた唯一の道なのだ。そう思い立ってから、私はカステラと隣り合わせの環境に身を置くことにしました。住居もカステラ工場の近くに引っ越しましたし、家にはカステラを常備しています。執筆の際には、机の上に、円形に並べて、レンガのように積み上げ、自分を取り囲むようにカステラの壁を作っています」
常軌を逸してる。でも、そこがいい。ツミノさんの創作の源泉っていうか、ツミノ作品に通底する世界観っていうか、その秘密がちょっとわかったような気がします。カステラとの付き合い方を見出されたことで、カステラへの感情は、これまでとは少し変わったりしたんでしょうか。ちょっとだけ許せるようになってきたとか?
「嫌いですね」
さて、この辺でリスナーからのメッセージを紹介しようかな。ラジオネーム「マーキングマーチ」さんから。
《ムシロさん、ゲストのツミノさん、こんばんは。
ツミノさんの作品、いつも楽しませていただいています。『コンヌツワ』を読んだ時の衝撃が忘れられなくて、それ以来ずっと作品を追いかけています。
『Terra』も発売日に購入して、一気に読みました。天高くカステラを積み上げたその先に宇宙がある。なんて独創的な世界観でしょうか。小説を読みながら、思わず震えました。普通じゃ絶対に思いつかない発想ですよね。でも、ツミノさんが書くと、それがとても切なくて美しい物語になる。ツミノ作品には、いつも「こんな見方があったのか」という驚きがあります。
柔くて脆く、崩れやすいカステラを、直向きに積み上げていく。崩れても、また積み上げて、もうこれ以上積めないというところで、それに続く人たちが現れて、さらに上を積んでいく。フィクションなんだけど、読んでいくうちに、思わず自分たちや、人類全体の営みに重ね合わせてしまうような、普遍的な感情の機微が作品に詰まっていたように思います。
ちなみに、『Terra』を読み終えた後にカステラを積んでみたのですが、3個が限界でした。私はまだまだ宇宙に行けそうにありません。
大好きなこの作品、何度も何度も読み返したいと思います。次の作品も楽しみにしてますね!》
熱心なツミノファンからのメッセージでした。読んだ後、カステラ積みたくなるの、すごく分かる。私も積んでみたけど、2個積んだところで限界を感じちゃったよね。
「マーキングマーチさん、応援してくださってありがとうございます。『Terra』を読んでから、カステラを積んでみたという方は結構いらっしゃいますね。私は20個くらい積みました。多分、その倍くらいまではいけるんじゃないでしょうか。ただ積むのではなくて、積むという行為を根本的に発想転換させることがポイントだと思います」
そういえば、『三ツ星ヒューマン』が映画化されるんですよね。
「はい。来春公開予定です。私も脚本の一部を書かせていただきました」
12年前に死んだはずの同僚から、深夜、突然メッセージが届くんですよね。私だったら絶対に信じないと思う。しかも、明日の朝までにメコン川まで来いって、そんな無茶を言われてもね。
「普通はそうですよね。でも、人間というのは、折り合いをつけることができなかった過去の感情を、心の中にずっと抱えていたりします。もし、突然、思いもよらないきっかけで、その感情を清算することが出来るとなったらどうでしょう。その時の判断や行動というのは、多分、理屈を超えたものになると思うんです」
分かる。常識的に考えると、滅茶苦茶なことをやってるんだけど、でも、どこか心の中で共感してしまう瞬間があるんですよね。不思議な作品でした。ちなみに、最後のシーン、ものすごく印象的なんで、ずっと覚えてるんですけど、あれが映像になるのかって思うと、ワクワクしちゃいますね。っていうか、あれ、映像化できるのかな。
「私は映像のプロではないので、自由にやってくださいと伝えてあります。だから、どういうかたちで表現されるのか、まだ全然知らないんです。ここは作者という立場ではなく、観客の一人として、とても楽しみにしてるんですよ」
いいですね。映画の公開が楽しみになってきました。
では、最後にツミノさんから、リスナーのみんなにメッセージをお願いします。
「真夜中の時間って、ゆっくり流れるっていうか、流れていることすら感じさせないというか、自分だけが一人、静寂の中で只々存在している。そういうところが、私は好きです。でも、それは一人ってことじゃない。いまこの瞬間、同じ時間を共有している仲間がいる。それだけで、どこか温かい気持ちになる。この緩やかなつながりが、ラジオにはありますよね。小説を書くのも、ちょっと似ていて、自分自身に向き合いながら、静寂の中、一人綴った文章が、作品となって多くの人に届く時、会って話したわけでもないのに、なぜか心がつながっていくような、そういう心地よさを覚えます。ラジオで時間と感情を緩やかに共有するように、私の作品も、みなさんの心に、何かしら波紋のようなものを届けられると良いなと思います」
これからも作品を楽しみにしてます! ということで、今日のゲスト、作家の摘野一色さんでした!
「ありがとうございました」
じゅ〜まん じゅ〜まん じゅ〜まんま〜ん
じゅ〜まん まんじゅう まんまん ま〜ん
十萬まんじゅう くださいな
受け継がれる 味と心
職人の確かな技を お茶の間へ
じゅ〜まん じゅ〜まん じゅ〜まんま〜ん
じゅ〜まん まんじゅう まんまん ま〜ん
十萬まんじゅう くださいな
ダニエルコレクション 最高金賞受賞
十萬まんじゅうは 万寿堂本舗へ
――あっという間にエンディングです。
そうだね、ほんと、あっという間。あまりの暑さに帰りたくなってたけど、何とか最後まで乗り切れそうだね。
今日は、作家の摘野一色さんをゲストに迎えて、小説のことから、ツミノさん自身のことまで、いろいろ聞けたね。深夜ラジオと執筆のつながりとか、なるほどって思っちゃったな。カステラ、20個積めたって言ってたよね。発想の転換が必要って言ってたけど、どうやって積んだんだろう。わかった人がいたらメッセージで教えてね。
――リスナーさんからのメッセージ、今日もたくさんいただきました。
「鷲田文学賞」さん、滝にハマっても滝壺にはハマらないよう気をつけて。「直球着拒許可局」さん、ランニングシャツ、すぐに洗ってください。雨で濡れても洗濯したことにはならないからね。「マーキングマーチ」さん、『Terra』の考察、すごくいいね。私ももう一度読み返してみようって思いました。全部は紹介できなかったけど、みなさん、メッセージ送ってくれてありがとう。
では、この辺で、不機嫌の証を授与しておかないとね。選ばれしものだけが手にすることができる、不機嫌の勲章、それが不機嫌の証。この栄誉を受けるのは、一体誰なのか。
それでは発表します。
(ドゥルルルルルル……ジャン!)
今回、不機嫌の証を授与するのは、ラジオネーム「直球着拒許可局」さんです。
(パチパチパチパチ!)
――「直球着拒許可局」さん、おめでとうございます
ラジオネーム変更するようにって言ってたけど、もっと言いにくいラジオネームにしてくるなんて、ホントひどいよね。あとは、一方的に変な解釈を入れて、清少納言泣かせなところもマジ不機嫌でした。あなたに、この栄誉ある不機嫌の証を授与します。そのうち発送されるので、気長に待っててください。そして、あなたは絶対にラジオネームを変更すること!
――チョッキューチャッキョキョキャキョキュ……言いくい……
悪意すら感じるよねー。古典文学に対するリスペクトのなさも、現代人としては0点です。でも、そこがいい。
不機嫌の証、今回もホントよく出来てて。ラジオだから見せられないのが残念なんだけど。今回のデザインは『ムカムカ』。濁った色のもふもふの綿毛を、針金でぐるぐる巻きにしてあるのね。ワンポイントでついてる赤い羽根が素敵。前回のバージョン『チクチク』はかなり派手派手しい感じだったけど、今回はどんよりして重々しい感じ。かなり不機嫌な感じに仕上がってます。身につけて、自分の不機嫌さ加減をみんなにアピールしてね。
そういえば、次回のゲストは誰だっけ?
――まだ決まってないです。
次はどんなゲストが来てくれるのか楽しみだね。もちろん、ゲストがいなくても、私が何か適当な話でつなげるから安心してね。おもしろいかどうかじゃなくて、大切なのは体験を共有することだってツミノさんも言ってた気がするし。あれ、言ってなかったかな。まあいいです。
――いい人、探しておきますね。
さて、そろそろお別れの時間かな。みなさん、雨はもうやんでいますか?ここからは、静かな真夜中の時間をお楽しみください。最後まで聞いてくれて、どうもありがとう。
不機嫌ラジオ、この番組は──(ザザザザザ……)──の提供でお送りしました。
それではまた。
不機嫌ラジオ 和上あか @wkm
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