光なき星

真瀬洸

光なき星

光あれ 神が世界を 作るとき

面白き世が 在ると願って


無垢な子よ 握る手と手で 笑みに富む

永続を見て 神は眠りへ


果実食む 罪の意識が 芽生えけり

黒へと染まり 後戻りなく


人は謳う 戦を正義と 賛辞せり

裏に流るる 血潮なりけり


刺す槍は 悦と楽へと 悟りける

正義は何処 神は死にけり


卓の上 名前を書く手は 酷く揺れ

負けの先なく 惨めに消えゆ


笑う人 引き金軽く 爆ぜる鉄

農夫の汗は 血に変わりけり


砲が鳴り 軋む世界に 目を覚まし

神は見据える 狂乱の世を


光なし 続く世界に 進化なく

新しき世へ 星を白紙へ


繰り返す 競い争う 人の性

波が飲み込み 畳むは世界

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