僕ら

毎朝僕は僕を見る。

鏡に映る僕を見る。

僕が映っている僕を見るということは当然鏡に光が反射している。鏡の世界とはいわないが、鏡の僕とこの僕は僕であって僕ではない。そう感じる。

自分を見るということはどこか不思議な気持ちになってしまう。

知りすぎている他人を見ているような気持ちだ。

鏡に毎朝映る僕は毎日同じわけではなく、少し異なる。鏡の僕は毎日別人に入れ替わるからだ。

不思議なことでもなく、当たり前の事。

そんな日常を過ごしながら、今日も僕は鏡を見る。

学生であるが故、朝は早い。

身支度をすませ、家を出る。

行ってきますの一言を鏡の僕らも復唱する。

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ちょこっと詩 松ノ枝 @yugatyusiark

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