第10章 悠久の時代へ (エピローグ)

「きっとね、私は腕時計なんかこうやってコレクションしているわけなのですが、世の中ってどんなことがあっても世の中なんだと覚悟してたら、そりゃ間違いがないと思うんですよね。


 人間って一寸先は何があるか分からないわけでしょう。」



 トントン。


「マスターお客様でーす。」、バニーガールの店員が客をカウンターへ導いてきます。


「まいどぉ。大西ですぅ、マスターお久しぶりぃ。」


 傭兵のようないでたちのその男は、どうやらバーEQUALの常連のようです。


「すんませんなぁ、マスターお話続けてくださいや。あ、お姉ちゃん、わし、天照の日本酒頼むわ。」


 「かしこまりましたぁ。」


 


「人間って基本的にそうでしょう。長い時間を生きる人も居れば、それこそ一瞬にして死んでしまう人もいるわけで。


 これ人間と言うものは、説いた人がお釈迦さんで、人間と言うものは、生まれる、老いる、病む、死ぬ。という業というものは誰も逃れることが出来ないというわけですよ。当然、みんながそうです。


 だから、何でも時間というものは人間に平等に与えられています。


しかしながら、この与えられている時間を、自分が有意義に過ごす人と、全く無駄に過ごす人の違いがあるだけですね。


 私たちは、いつも思いますが、目的を持って生きていると、人間というのは活き活きとして生きてゆけます。でも、目的も無く、ただなんとなく生きていると、だらだらだらだら生きますね。


 今の日本がそういう状態です。このままでは良くないですよ。


 根本的にはお釈迦さんは、自分が涅槃に入るとき、お葬式をしてはならない、私の身体は野に捨てなさい、鳥や獣の餌にしなさいと言われたのに、弟子のアーナンダが、そんな御無体なことは出来ませんと言ったわけです。


 それで、お釈迦さんが諭されます、自分はこの世に生きている間、どれだけの罪深いことをしてきのかと思うのです、と。仰ったわけですよ。


 人間であれども、自分が生きるために他のものの命を奪わずには生きてさえいけない、普通のきたない動物なのです。


 だから、お釈迦さんは自然の環境が輪廻つまりリサイクルしているこの流れに従って、自分の遺骸も野にさらして他の命に還すことが当たり前ですとお弟子さんに諭したわけです。


 誰も、お釈迦さんが死ぬとき、墓を作りなさいとは教えていないのです。


 石塔も立てる必要はないと言っておられるのに、今現在日本でも仏教徒と名乗るものは、墓や石塔を立てるから、結局坊さんと石屋がグルーピーになって、あるいは不動産屋と石屋がグルーピーになって、まあ、石屋にはいろいろありますが、金儲けばかりしているわけでしょう。


 戒名も昔は実際に寺に功績のあった人、つまりその寺の住職とかに、位の高い戒


を授けていたというのにですね、今やお金で買う時代になってきて、そんなの、100万円200万円、安いところだったら30万円50万円、というところもありますが、院号なんて付けるのに、ひどいところであれば800万円から1000万円近く積んでいる人々も世の中にはいるわけでしょう。 


ほんと、どうなっているんだろうか、と思うわけですよ。


 また、その院号のついた墓を継いだら継いだで、他人事ですがね、後で継いだ息子とかが、親が一番高い院号をその墓につけたおかげで、寄付や布施やらを、院号に見合うだけお寺に収めることを坊主に要求されてしまっているわけです。


それが辛いというか、収められずに困り果てている人がたくさんいるでしょう。


 


神社でもおかしいのが、姫路でも広嶺のところの、そう、広嶺は八坂の本社ですがね。そう、牛頭天皇の。だけど、みんな逆でしょう。京都が摂社で姫路が本社なのに、逆に祭っています。昔は、最年末といえば姫路に行ったものですよ。


そして、広嶺へ行ったわけですが、まぁ、みなさん伊勢と言えば三重県だと思ってるような考えですな。


 京都の八坂といえば盛大にお祭りするのですね、それでかも知れません。京都のほうが中心だと今はなって居るわけですが、ほんとうの本拠は姫路の広嶺ですよ。だから広嶺神社の社の裏を見に行ってみて下さい。九穴空いています。


 こんなこととも似ているのですが、去年の夏だったか、最近東京で鯔「ぼら」が異常発生したでしょう。鯔は食べられるのですよ。昔は結婚式のお祝いで、鯔という魚はたくさん子供が生まれるから、多産系ってことを縁起よきものとして、これに鯛を抱き合わせて祝いの料理に出したわけなのです。


 冬の鯔は寒鯔といって、あんまり臭い事もなくておいしいのです。しかし夏の鯔は臭うのですよ、蟲が湧きやすいし、生で食すわけにはいきません。だから結婚式に出すときは昔から焼き魚と相場が決まっているのですよ。


 鯔自体は、今たくさん捕れるようになったし、海に住んでいるわけです。


しかし、変な話、人間がお風呂へ入るのと同じ。お風呂が熱いと思ったら、飛び出すでしょう。


 適温だったら、いつまでも魚は底にいるわけですよ。


 つまり、海の底にいるはずの深海魚が近年になって浅瀬によく出没することと同じで、もう、海底では火山活動が盛んになってきているということだと思うのですが違いますかな。


 だから、鯔も川に上がってくるわけです。


 日本には言うたら失礼やけど、学者は地震の予知さえできないではないですか。


 私たちなら、変な話これ、日常で敏感にそれがわかるのですから。


 笑いますよ、地震の予知でも確立が高いのですから。


 だから、人間って、物事をわりとシンプルに考えると、すると、よく物事が分かるし見えてくるんだと思うのですが、違いますかな。


 あんまり、こう、ああでもないこうでもないと考えると、迷いがおきて、迷うだけで、その迷いの世界にはまってしまって、何にも見えなくなるのですよ。


 それで、あせりだけが起きてくるのです。


 だから、もう、シンプルに、例えばパン屋をするなら、そのパン屋だけで身を立てるとしたら、こんど逆に自分が鏡という部分で、今の日本のパンは何が悪いのか、そして、どこを自分達が改善してゆくのか、ということ。


だれもが、自分の仕事を善いものにしてゆきたいわけですよね。


 日本という国は面白いもので、縄文文化というのは環境の中に生かされていくという共生を考えたわけです。それが今の日本神道ではなくて、古代の日本の本当の神道なわけでございますよ。一言で言うなら、物部神道。近世での吉田神道。


 それで、こんどは大陸から来た仏教が、一つの仏という姿を介して、人間のこころのありかたを説いたわけです。


 そこで次に、儒教というものが道徳というものをもっとはっきりしなさいよ、と教えてくれたわけでしょう。


 今中国なんかの女の子は、中国の何か有名な大学を出て、まあ日本に来てる中国の娘の中には、簡単に性交渉とひきかえにお金を要求するなんて、びっくりするようなことがあるわけですよ。


 しかし、もともと儒教儒学の国の娘がなんと嘆かわしいことでしょうか。


 だから、もっと言うと、お金が欲しいからホテルへ行こうという勢いなわけですよ。


 信じられないです。日本政府に散々売春がどうとか言ってくる中国の娘がそういう売春行為をしているのですから。公安に問い合わせてみたら、がっかりしますよ。


 まぁ、みんながみんなそうじゃないことを願いますが、一部の人間にそういうのがいるということを覚えておいてください。つまり、日本人として何をするべきかと言うことをです。そういう女の挑発に乗ってはならないということです。


 また、その人たちから、私たちも女の子をお金を出して買わないかと勧められて、「嫌やこんなんアホちゃうのん」と、つっぱねさせていただきましたが、彼らは、「否、この娘らええ大学出てどないやこないや」と言うのです。


大体地方からこっち「日本」へ来るのは貧乏では来られないわけです。


 親戚身内にお金を借りるとしたって、親戚身内がお金を持っていなかったら、借りられませんからね。


 結局、ある程度裕福な家庭の娘が日本に来るということです。


 それでその娘が、自分の身体を売って金儲けするっていうわけですな。


 「ごっつう、かなんな、」と思いましたよ。まあ、その辺治めている仕事柄。


 だから、スポーツ新聞の3行広告なんかでも、中国人女性〇×SEXOKとかって、たくさん広告を出しているわけですよ、彼らは。


 今のご時世、きついことだらけです。


そんなもの、電信柱の張り紙から電話BOXに至るまで、ありとあらゆるところでお構い無しに性風俗が小さい子供が見るところにまで氾濫しているわけですよ。


 エロスはあって然りですが、こうもなってくると何の趣も無く、ただ犯罪が増える一方ですな。


ようするに、今世界の、なんと申しますか、西洋文化が入ってきて、結局なにやっても良いという自由主義、思想が、とんでもない方向へ行ってしまっているのです。


 やっぱり、競走社会の歪、しわ寄せを感じますなぁ。


 人間って、あせると自分を失うし、見えなくなりますよね。


 迷うからあせる。あせるから結局、どんどんどんどん、こう、自分が何をやっていいかわからないまま何かをしようとして、そして、やったことが全て失敗になっていくわけなのですよ。


 そして追い込まれる。追い込まれると、今度は自暴自棄になって、まあ自分が自殺するか、そうでなかったら、俺もどっちみちだめだからと言って、他人まで巻き沿いを喰らわす、周りを引っ張り込もうとするものもいるわけですよ。


 だから、ほんとうに今日本の国って、本当に、見直さないといけないことは、やはり、日本の古代神道のように、自然の中で共生して生かされるという、平安、江戸の仏教のように人間の心に訴えかけるという、そして道徳の儒教がそうであるように、行動に訴える、と。


 この3拍子が江戸の末期まではセットになっていたのに、日本の国は。


 だから、日本人はそのむかし、書き表すと美し人と書いて「美人」と呼ばれていたわけです。男も女も。


 ほら、大原様、美人はいますでしょう。ワクワクしませんか。」




 「そういう落ちなのですか。」


 


「昔の日本人は、衣着、立ち振る舞い、作法、すべてが整っていたわけです。神仏を崇敬していたことも理由に、さることながら、恩や礼というものがこれ、言葉だけではなく身体で理解していたから、めったなことをしなかった。


 今の子らなんか襖開けたら、ダーって開けっぱなしでしょう。礼儀作法はいずこへ。


 座って、手を添えて静かに襖を閉じるのですが、背を向けることなく、そこには相手に対する礼があったわけでしょう、確かに。


 お茶一つとっても、箸の持ち方一つにしても、日本人の美しい作法があった。


 まあ、儒教や仏教の文化が日本で大成された結果といえばそうなのですが。


 ご飯を食べるときでも、ほれ、手を合わして食べていたわけですよね。


 それは食べ物の命を奪うからこそ「いただきます。」なのですよ。


 自然の美しさそのものが日本人の生活作法としてあったわけですな。


 それが今どうですか。マクドナルドだけが悪いとは言わないけれど、なんでそんな食べ方をするのかと聞いてみたら、たいがい時間が無いとか、食事に使う時間がもったいないとか言うわけです。


 それはなんでかと言うなら、会社はやっぱり競走理論社会なのですから、かならず8時にはじまったら5時に終わるとか、その12時から1時までが食事の時間というように限られた時間内に食事をすまし、用を足し、休みを取らないといけない、こんなの全然休む暇もないのです。


 そんなの、昔の人はですね、いわゆる官職の人であっても、昼までに出て行って、自分の役目を果たしたら帰っても良いという、まあ、こういう社会だったわけです。


 一般の人にしてみたら、そんなの関係ありません。それこそ太陽が昇り日が沈むまで、ぼちぼちやったら良いという、まあ言ったらのんびりした生活なわけですよ。


 時間がとっても、ゆったりと流れていたのですね。まさに悠久というべきか。」


 


 「だから、マスター、腕時計は僕に預けて悠久の日々にひたってください。」


 「いや、時計は差し上げませんが、その点古代は悠悠としていたわけですな。


 まぁ、この時計というものが、便利なことは瞭然なのですが、本来は制約の無い時間の中で自由な存在であった人間が、たちまちこの時計というものを手にしてから逆に不自由となり、今によく言われるみたいに、時間に追われる、なんて社会、人の生き方になったわけでしょう。こんなの、ロマンもへったくれもないですよね。


 だから、未だに京都、奈良の飛鳥に来たら、癒される人も多いのではないですか。


 あせりっていうのが、精神的にも肉体的にも最大のストレスですな。


 ま、あせりが病気の原因ともいえます。




 私も今までBMWやらベンツにテスタロッサなんて道楽な自動車を乗ってきたわけですが、自動車の進歩も最近になってすさまじいものですよ。


 南アフリカでも空気自動車を開発中ですが、フランスのモトゥール・デベロップメント・インターナショナル社では圧縮した空気だけで走る2ストロークの自動車が1万$前後の低価格で発売されるようですし、最高時速は100km弱、一回の充填は1ユーロ130円で300km走るというのですから素晴らしいです。


 今300万ドルあれば、6ヶ月以内にエアカーを売り出せるというのですが、現在はその目途が立っていないようですよ。


 同社の株式が25万株、1株2ドルで売られる予定ですから、お目が高い人がご友人におられたら、お勧めしてみてはいかがでしょうか。


 お勧めの理由が、自動車業界しかり石油業界が全く興味を注いでいないという点で、です。


 またイスラエルでは2009年の発売を目度にして宙に浮くフォーバークラフトの自動車X-Hawkを開発中です。これなんかは高度3600mまで上昇でき、180kmの速度で前進が可能です。燃料はやっぱり石油なのでしょうか、だとしたら私はフランス式の自動車が好みです。害が無いですから。


 世界では好い車がどんどん発明されてきますが、私的にはやっぱり自動車より自転車が良いということが分かってきました。自転車に乗るようになってからいろんなものがよく見えてきました。


 自転車を扱ぎながら空気を圧縮させ、タンクに溜めた圧縮空気を小さなピストン機関を用いて前進するエネルギーに有効に活用できるようにすれば善いですね。


 そうなると、もう、バイクなのでしょうか。


 楽を考えたらきりが無いですが、これ、歩いたら、もう一つ良いと思いますね。


 いつも、奈良に来るときには、三輪明神や平等寺、天理は石上に行くのです。


まあ、言うなら神仏習合もさることながら、邪馬台国の本拠地ってことで、私にはここが魅力ですからね。


 まぁ、このバーもあるわけですし。


 たまに、こう、貴方の様に熱心なお客様が来られるとついつい長話をいたします。


 四条畷のほうはすいているので、あの、東大阪のところから木津へ上がって来ます。


 そうしないと、うちの河内から暗闇峠を回ってきたら遠くて仕方が無いです。


 今まで和邇下神社なんて話にはよく聞いていましたが、どこにあるのかは分っていなかったのですよ。


 ただ、昨日自転車に乗って来たら、こんなところにあったわけです。


車に乗っていたら、そのまますぅーっと通り過ぎてしまいますよね、ほんと。


 自動車なら目的は三輪なら三輪、石上なら石上みたいな感じで寄り道も無しです。


 まぁ、止まる所と行ったら信号待ちぐらいでしょう。


 ですが、自転車に乗っていれば、あんなところもこんなところもあることが分る、発見が多いことは確かですなぁ。


 昨日の黒塚でもそうでしたが、自転車は後続車に追われることも無いから、気になるから一辺覗いて見ようかというような融通が効きます。


 だって、私みたいに探していれば別ですが、自動車で黒塚なんて行くこともありませんよ。


 たまたま、自転車に乗っていたおかげで、車の多い道をさけて小さなわき道を走っていたことが手伝って黒塚へ入っていけたわけですからね。


 人間ってあれですよ、100%完璧なんていないのですからな。


欠点欠点欠点だけど、ただそれを自分たちが気付いて修正できるか、またはその、別の行動をとるか、全く気付かず、おれは、わたしはこれでいいと、居直ってしまうか。


私みたいに年齢がいくと、今の若い人はどうだとかいろいろと言ってしまいますけど、まぁ、批判する。でも、自分がどうかと言ったら、そうでもない。


 あの、年寄りというものは。


 人間というものはおかしいもので、他人事は見える、でも自分のことは見えない。


 携帯電話でも、他人の番号はボタン一つですぐに確認できますが、自分の携帯の番号を聞かれたら、番号を覚えていなくて操作方法も知らなかったら、え、わからない、となってしまうわけですな。


 そういうものだと、思いますよ。


 だけども、私たち人間って、物事にちょっとでも気がついたら自分が得した気持ちになったり、賢くなった気分になる。


 しかし、気がつかなかったら、なんで私はアホなんだろうか、とか、もうちょっとこれ早く気がついていたら、良かったのに、とか、悔しいとか。そう、なってくるものですよねえ。


 世の中を間違いとか正しいというものの判断の見かたをするよりも、何でもあるのだと、見とく事のほうが良いかと最近は特に思いますよ。


 それで、私はこの非行にはあうけど、この非行には合わない、いや、あるいは全く正しいのが好みだという完璧を求めるにせよ、なんせ自分で善い道を手探りで進んでゆけばいいのではないかと感じますね。


 だから、間違いとか、例えて人の付き合いでも「あの人と付き合うな」とか「付きあっていたから非行に進んだ」とか言う人がいるわけですが、それはまた別だということです。


 結局、しっかりした人間は、いかに悪党と付き合おうとも、ものの考え方も行いもしっかりしているものですよ。自分は自分の生き方をなさる。


 ところが、ものの考える力を持っていない人間は、ただなんとなく何か寂しいなあ、どうにも面白いことがないなあ、というように何となく暇な人間は、面白い人とか、元気者に引っ張りまわされて、ついついそれに着いて行ってしまう。


 それで、染まって取り返しが付かなくなるわけですよ。


 というのは、自分の考えとか目標を持ってないからそうなるわけです。


 誰もが安定を夢見て、いい学校に入ったらいい会社に入って、これ一生安定だと思うわけですが、そんな考えはもう、このグローバル時代マクロ経済の中においては通用しないわけでしょう。


 結局、自分が何になりたいのか、と。そして目標、仕事に向かって努力すること。


 一つでいいんですよ。これと決めたら。


 だから、失礼、あなたでもそうですが、よい女性を嫁にしたいと思うのならば、やっぱり、男として、立派になるために準備段階をして努力して、結果完成された一人前の男性となってからこそ、女性は敬意をあなたに抱くわけだし、愛なんていうもの、やっぱり、パートナーを敬うところからしか成立しえないわけでしょう。


 じゃなかったら、愛じゃないですよ。逆のものは隷従、そんなのはSMですな。


 そして、敬ってくれるということは、その女性があなたに居場所を与えてくれるということでしょう。言い換えれば、結婚してくれるということになりますな。


 お解りですか、あなたが山の麓にいるのに、美女といい関係になりたいとか、女性が欲しいなんて山の頂上ばかりを見いても、傍から見たら、「男としてろくに働きもせいへんのに何やっているんや。」と、こうなってしまうわけです。


 仮に、彼女があなたを哀れんで一緒になったとしても、男としての責務を果たしていなければ、結局逃げられるか、それとも他の魅力ある男に取られるというのが関の山なのでございますよ。


 また、挙句の果てに別れた女性を追って未練たらたら、なんで女の心が離れたのかも理解することも無く、逆に切れて、バイオレンスに走るDV症候群やらストーカーというものがなんでこの世に多く存在するかというなら、彼らに自信がないからですよ。


 そりゃぁ、自分自身に自信を持ち、心をコントロールできたら、まぁ、それを大人と言うわけなのですがね、誰も否定できませんよ。


 そんなもの、女性問題で悩んでいるうちはいけませんな。


 悩むより行動、そんなの、あなたが女の人に声をかける以前に、仕事に精を燃やし、その情熱の中において妻となる女性を幸せにするという気持ちを持ち続けることです。


 そして結ばれたなら、当然の夫婦の営みの結果として新しい命を授かるでしょう。


 そうして、まず、己の命と家族の命を大切にする、余力が余ったなら周り近所、親戚を大事にして助けていくことですよ。




 まぁ、あなたなら、一人前の男に、なるときになるというか、なるべくしてなるというか、脅迫概念にかられてやるのではなくて、周りの力というのか、自分の力を超えたものがでてきますよ。本当にあなたの生き様が世の中に受け入れられたなら。


 私たちの仲間、こちらの大西様が行っておられる環境保全の仕事、ゴミの収集でも、これどうやって集めてくるの、って感歎します。」




 僕の横で静かに日本酒を飲んでいたその傭兵みたいな姿のおじさんが、僕に話し始めました。


 「それこそ、ホウキで、ほかしてあったら拾うし、一応お金のかかるものは基本料金だけ。


 だから、テレビやったらテレビが普通リサイクル法で4000円から5000円の処理料金がかかるわけやん。


 俺が自腹切ってたらきりがないからやな、そのうちの基本料金2500円なりをもらうけど、運送賃は要らんから、といえば、これも人情で「それやったら、あんた気の毒やから」いうて、1000円プラスしてくれたり1500円だりを足代として包んでくれるわけやんか。こっちがくれなんて言わんかて、まじめな気持ちが人の心を動かしてるわけやろ。


 それが、最初から運送賃400円500円だり欲しいなんて言ってみいや。


 今度は逆に、「お前んとこ高いんとちゃうんか。」とか逆に足元見られて、他の業者との比較対照としてしか見られへんわけやん。


 そんなんでは結局お得意さんなんて出来ないし、仕事も長くは続かん、と、こうなるわな。


 電気屋さんがよく客に言われるやん、向こうの電気屋では幾らやったのに、おたくのは何で、みたいなもんや。


 だから僕らとこだってそうなんやけど、儲けようという心が、儲けから金銭を遠ざけていってるわけやん。


 だから何かっていうと、ここやん。大事なのは。


 お金だって人の心を形にした物に過ぎへんとはいえ、あきらかに人の感謝の気持ちのあらわれなわけやんか。


 だから、だれが物やサービスが低質やのに、あえて高い低質な物品を買おうとするかね。


 日本の自動車でも経済の高度成長期になんであんなに馬鹿売れしたんかというたら、日本の車がエコノミーでよく走るだけではなく、欧米人が考えたような頭が痛くなるようなコンピュータ回路、つまり遠隔操作システムをわざわざ日本の時の通産省が除外して、その上でも完璧で、安全な車を売っていたわけや。こんなん誰も知らんやろうけど。


 当時の「MADE IN JAPAN」の確かな信用がいかなるものか分かるやろ。


 それが今日本の自動車はどうか、GPSはつける、カーナビで常に電波をいれる。挙句の果てにガソリンタンクを運転席や助手席の真下へ設置するなど、物理学的にか弱い人間の生態には無理のあることばっかりやってのけるわけやん。


 もっとな、基礎的なことをマスターしていかんなあかんねんな。


 計算打算ではあかんのんとちゃうか。今までの統計と今からの予想、数字とあたかも比例しないのが人の心や。


 善いソースを配ることは大切なことなんやけど、不完全なこと、コントロールということにかけては、人間は「神」ではないわけやから、完全な成功なんて有り得ない。


 成功っていうのが、むしろ生まれてこの世に生きてる現在そのものが成功なわけやから、それ以上を望むというのは強欲や。


 人や他の命を幸せにするという希望をもって人と人の繋がりの中で努力するってことが大事やと思うわけやな。


 そうなると、人間にとってなぜに大切なことが分からないかな。


 しっかりせいよ。


 倒れている暇はないで。




 色んなゴシックを取り除いていくとやな。


 生きていくのに基本的に大事なもの、空気、水、食料と、住居生活環境を整えやんといかんわけよ。


 科学技術庁でも、食料の確保のために遺伝子操作で人を小さくするような提案をしておるけれど、これはまた対動物関係を無視したら危険やでな。


 とにかくにせよ、問題の解決は、自分の出来ることからやらんとあかん。


 車の排気ガスが問題になっているわけやけど、それがCO2二酸化炭素を最初に言う人が多いんやけど、僕らは環境保全事業のプロやからわかる話、結局二酸化炭素うんぬんは日本から円を奪うというドイツ、フランス、ロシアの罠にはまっとるだけで、実際にやらんなあかんのは、車を動かす、走らせる人が、いかにして草木を枯らす要因であり、人間を癌にする要因である炭化物やら硫黄を、どうやったら、あの車のマフラーから出さないように出来るか、それにはフランス式の空気圧縮型の車を採用するとかやな、かつ、その限りある地球の化石燃料を有効に利用しつつ、次の段階、つまり完全に無公害であり、継続的なエネルギーとして、太陽光や地熱、風力に水力、そして水素爆発などの自然エネルギーを利用できる社会に向けて、国や企業としてではなく、一般個人われわれが、いかに今の環境汚染の現況を理解して、原発などに頼らずともやっていけるだけの人間としての生活の工夫ができるかどうかにかかっている、と思うで。


 大平内閣の時代、日本は少しでも安い原油を手に入れたくてインドネシアなどの国に交渉に入っただけで、アメリカバックの戦争に巻き込まれて日本のタンカーをズドンや。


 極東共同開発に携わった中川さんや安部さんなんか悲惨だったやろう、結末が。


 日本は樺太を返還せよとロシアに望む理由には、当然石油の油脈がその地域の海底に眠っているということやろ。


 日本国とロシア国の二国間で内密に行ってきた極東共同開発、そして樺太の返還がロシア側から白紙撤回されたのには、欲を出した日本企業がでしゃばってロシア国家の真摯な態度に泥を塗ったためだと、気がつきもせん日本の国民やら。


 結局、水面下で日露の友好を大切に築き上げてきた鈴木宗男士の苦労は水の泡になったやろ。鈴木さんは中川さんの鞄持ちやったんやで。鈴木さんが日本の立場そのものであることに気が付かないんかな。


 列強国怖さに敵も味方もあざむいて計画から30年が実って、最後のどんでん返しに国民みんなで笑えるのかも、ひょっとしたら知れへんけどな。


 樺太では世界中から10の石油プロジェクトが進行中や。


 サハリン1は伊藤忠商事が関わっていて、石油メジャーのエクソン・モービルがすでに入っとる。2005年から石油生産を始めるわけや。


 サハリン2にかけては現在稼動しとる。三井商事が入っとるで。東京ガスは2007年から導入を決めとるねんで。


日本の国民の多くは、マスコミの報道を信じ込むような、考える力の無いような人が多いから、鈴木さんもまんまと悪者扱いや。


極東開発のの責任者として尽力した人材を、役目が終わりに近づいたとかで引きずり降ろすようなまねは、いただけへんなぁ。しかし、極東開発から身を引けたおかげで、命拾いしたのかも知れへんな。極東開発は命がけなんや。


いずれ、樺太の石油の見込みも46年程。ここで重要なことに気が付くのは、世の中は石油依存からエネルギーシフトして来ているわけやから、二酸化炭素の排出権を買わされる口実になるんちゃうかと、懸念するなぁ。


ソビエト時代から、ロシアはお金を出したくないから外国に石油掘拓を依頼する。で、自分らは何をやっとるかというと、樺太にものすごい海軍を待機させとる。


大東亜戦争時代、大日本帝国は樺太の石油に目を付けていたわけやけどな。


その彼岸がやっと達成されるっちゅうわけや。


田中角栄の時代から、石油ショック、その後のアフガニスタン、ベトナム、中東戦争と、限りない地域紛争をさせて日本民族を困らせてきよった訳だがな、ようやく一応のけじめが付くようなこっちゃ。


 アメリカにはわしも友達多いからむしろ好意的やけど、アメリカの政財界上層部には、日本人と仲良く生きてゆく気持ちが端から無いような気がするで。


 ほんま、俺らみたいに礼節のある普通の日本人と、バブルの時に闊歩したような頭の無い日本人を一色単に日本人として見られることには憤慨するよな。


まったく、エネルギー問題っていうのは迅速な解決ばかり望みすぎて空回り、関西電力でもプルサーマル核燃料の基地を作るといって、思慮の浅い経済産業省がGOサイン出してしまっとるけど、原子力放射線が人体に及ぼす影響がやな、わかりきってるわけやん、だめなものだって。


 1991年からアメリカなんか性懲りもなく400万トンもの劣化ウランをあっちの土地へこっちの海へ、放っては捨て、やっていますが、どれだけ多くの子供たちが奇形となったり、これからどうなっていくのかが分からへんかな。


 原子力とは全くあなどれないもんや。原発が増えれば増えるほど、不安要素が増していくだけやで。


 ようは、電気の使いすぎ、それがよくないんや。


 パナソニックやら松下の省エネルギーの電灯に替えるとかやな、シャープのソーラーにするとかやな、個人個人が考えてゆかんとあかんのよ。


 


 あなたは想像をしてみ。幸せな家庭が出来た、と。


 ご夫婦のあいだに、新しい生命が生まれた、と。


 できたてほわほえわの可愛い、小さな、赤ん坊やけど、その手には人類と宇宙の未来をしっかり握りしめて、おぎゃあと生まれてくるわけや。




 俺らはな、ただ単に生きているわけではない。今、未来への責任があるわけや。


 短絡的な老人ホームやら介護じゃないのよ問題は。社会全体が慈悲の国ニッポンに戻らんなあかんのよ。いらんもん増やしてNPO増やして、ヘルパーに看護師に医者も協力の上、その実、日本政府の浅はかな政策に一般国民がはめられとったらいかんわけよ。


 日本政府って何かって。あんた、たかだか400万人の公務員やろが、そんなもの。


 まぁ、一部には折り目正しくまともな人はおるので、その人たちは別として。


 結局あれらに一人頭平均年間1015万円程人件費がかかるんや。政治家なんぞは3000万円近く、それを補うための税金だってことになぜ気づかんのか。


 あんたの使う馬鹿ほど高いガソリン代も、むやみに高い諸官公庁への申請代も、毎日食べる農薬バリバリの遺伝子操作されまくっている食料も、汚い水も空気も、そして医療費も、全部あんたがこつこつ寝る暇も惜しんで働いている給料はやな、あれら必要のないものたちへの経費にどっさり流れていくわけよ。


 あれらは、銭金の苦労を知らないから、また道路公団など財団や公正でない法人やNPO、NGOに癒着で国庫から金を送る。これ税金、血税や。


それから道路公団がわけわからん道路作りをしているというけれど、よく考えて見。ガソリン作るのにカーボン、サルファ、これ煤がでるわけや。ほんで、それを道路の舗装に使うわけや。毒性のたかいものやから、これもほんまあかんことなんやけど。


それでも、みんなガソリンを使うやん。道路公団うんぬんよりも、電気自動車にするとか公害度の少ない車に変えてゆくとか、自分たちの生き方考えていかんなあかんのとちゃうか。


公務員の給料に年間40兆円、医療費に31兆円、自らの国の山林に海に河川を汚し、そういう連中やら、故意にミスを重ねる医療機関に免許の取り上げも行わない国の代議士に官僚やら公務員とくれば、これみんな必要の無い存在と言うことやな。


国家公務員とは、国民が安全に生存するために公の任務を請け負う、これを公務というわけやけど、分かってないわけやで。


このところの国と言えば、サービス化はサービス化で、責任の所在をあやふやにしようと必死なわけで、何か必死になる場所を間違えているわけやん。


1億2761万人の国民の生活が、たった400万人の公務員の莫大な給料のために脅かされているわけや。この400万人分人件費削ってしまえば、日本まだまだやっていけるねんで。全部オートメーション化すればいいんや。


一生懸命汗して働く1億人か、いい加減な400万人かといえば、おのずと1億人を採るからな。


会社の法人税が60%というのも、これ、どういうこっちゃ、と思うんよ。


それから、相続税って何や。公務員養うためにご先祖様の財産を削らんなあかんとは、これ、どういうことや。日本人は早く今の馬鹿さ加減にいい加減、気付かんなあかんで。


また、少子化というけどやな、わがままな親が増えた結果だろう。ぶっちゃけ遊びのSEXが増えた。そんなもんな、今に気がつくで。このままゆけば、あんたらの世代がよぼよぼの高齢になった時は、超高齢化、超少子化、そして、親孝行までが金を取るサービスの時代や。現に今その真っ只中に入り始めているんやで。


今や65歳以上の高齢者は3480万人、そのうち一人暮らしなのが340万人もいて居るんやで。


朝日新聞によれば定職を持たないフリーターが417万人居るという。これは2001年の調べやけど、2010年には476万人になるそうや。


年収も消費も納税も無いっちゅうことやから、GDPも1.9%下がって税収も1兆4千億円低くなるというそうや。


しかし、まともに納税するのが嫌になる心理というものも、まぁ充分理解できるわな。税金を納めれば納めるほど、使途不明金がふえてゆく世の中なんやから。


使途不明というか、まるまる公務員たちだけの懐に入るってことや。困った世の中やで、ほんま。逆に言えば今の若者たち、賢くなってきたんとちゃうんか。


国民年金も、創設当時から満期に満たない積み立てしていない老人に莫大な税金を分け与えているわけやから、パンクして当たり前。これ、はじめから間違っとるわけよ。


日本に住む人間はそろそろ、こういった混沌さの中で、農業の大切さに気付かんなあかんのんとちゃうやろか。働く、ということの意識変革。もとさやに帰るというか。


俺らの親は、戦後間もなくて何も無い日本で、8人の兄弟がいたわけやけど、立派に育てたわけや。経済的には貧しいながらも家が農家やから、なんとか生きてこれたわけや。でも、今日本はどうや。お金が無ければ子供も持てないという。


さらに、少子化で、国として個人として将来設計が立てずに苦しんでいる。


そんな日本の状態やのに、中華人民共和国では一人っ子政策で、一人以上生むのは罰金というからやな、それを逃れて、どんどん国籍の無い子供が増えてきているわけや。


そういう子らが日本にきてるわけやから、野放しにしないで、準国籍を与えて、はじめから和の徳を教育して立派に育ててみいや。また、それ以上に子育て子作りに励まんかいな。


ほんで、農業が一番大事や。これは今に分かる。


教育面は、はっきり言うて、これ、変態不祥事ばかり起こす学校はいらないし、学校の教師かて、あんた、その娘が追突事故で一家庭の生活をめちゃくちゃにしてるのがいるのにやで、お詫びの一つもしてこないようなものも実際におる。当然人間的に欠落した公務員の娘なわけで、かえるの子はかえる。これ、どうしようもないわけよ、今のままじゃ。


まぁ、俺の曾爺さんは、今で言う市長やってたわけやけど、あのころの公務員ってのはな、そら、威厳があったで。


うちの爺さんなんか、村にはじめて橋かけて、それこそ日々の人の生活に寄与したわけやけど、そこに自分の財産まで投げとったからな。


今の政治家は逆やろ。なにか作るとなりゃ、議会に推薦の見返りに金が欲しい、みたいな。最低とは、今の政治家のためにある言葉やで、ほんま。




これから流行るものといえば、しょうもない。


環境ビジネス、コンプレックス産業、セキュリティー産業や。


だいたい日本政府は、財政投融資の名によって、郵便局の貯金から税金、国民年金にまで手を付けて、企業や国の借金返しにあてているわけやんか。


ところが、大きな銀行や企業の救済ばかりで、中小零細には全く手が差し伸べられていないのが現実や。


当然、中小企業、銀行は潰れるわけや。即ち、失業者、破産者が増えるということや。場合によっては、自殺者まで出る。


すでに年間3万人とも5万人とも言われる自殺者のほとんどが、苦しみに追いやられたそういう人々なわけやんか。


こうなってくると、家を売ったり、破産して夜逃げ、世の中には泥棒がふえてくる。


世の中がまったく不安定化してきたわけよ。




こういう国内の状況で、では対外的に貿易が動いているうちはよいが、これが止まってしもたら、どうなるかということを考えていかなければ、いけないんとちゃうか。


株価が一時的に上がっているが、国債の借金が大きくなるために、結局負債は増えて、紙幣は紙くずになる、これがセオリーや。


経済破綻というもの、なわけよ。


こういったあんばいで、食糧難、経済難が続くと、今までの歴史上、必ず戦争を起こして、後に土地やインフラの調整を行ってきたわけや。


戦争になれば、誰が得をするといえば、それまで馬鹿をやってきた公務員だけと相場はきまっており、一般の国民は、命だけでなく財産も全て取り上げになるわけやで。


あんたらのお爺さんぐらいの年齢の方に聞いてみたらいいとおもうよ


戦後、ある日突然お金の価値が下がりませんでしたか。


米国は財政赤字、貿易赤字、戦費赤字にいたっていてやな、自らやらかした尻拭いが、もう自分で出来なくなって、全世界に応援を要請している。


煙幕がかかったように、後になってからしかわからないこともよくある話で、これが、第三次世界大戦と後に呼ばれるんとちがうか。


まぁ、このまま行けば$と\は飛ぶ。


結果、一時的にカードマネー時代がくる。


そして、最終的に、こつこつ真面目に働いてきたEUの時代になるわけや。


いわゆるユーロ経済というやつやな。」


 ナショナルのテレビを付ける大西氏。


「寅の刻になりました、皇国臨時ニュースをお報せいたします。


天照天皇が召集されていた日本政府の責任問題をめぐる臨時国会は、先程与野党の代表者の協議の末、無事に決着いたしました。


和邇、物部、安部、海部、中臣、藤原、吉田、足利、北条、武田、上杉、織田、徳川、松平、島津、各会派首領は、全国1万氏姓の議員の承認を得、現日本国政府の処分を次のように決定いたしました。


まず、藤原大織冠は明治以降、戦争に加担した家柄から相応分の財産を皇国へ返還を命令、戦犯派閥の中で、今後大儀の通らない戦争はしないという皇国の方針に逆らう者の全てを皇国公安の監視下に置く模様です。


1000兆円に上る不良債権は、全て現日本国政府の公務員に返済を求め、一般国民はこの支払いの当事者でないことが正式に認められました。


徳川東照大臣は、三井・三菱・住友・安田の各財閥に対し、この皇国に帰順しない限り、解体の上、財産没収となることを宣告されます。また、日立は速やかに原子力開発を止めなければ、その従業員家族は皇国の収容施設行きとなります。財産は没収です。


2004年2月10日自衛隊派遣を現日本国政府国会が承認、参院にて関連予算を成立したとのことですが、復興支援の名の下の補正予算1188億円は、皇国の国庫からなるものであり、予算反対派の103議員はそのままに、後の賛成派136議員に対し、8億7352万9410円ずつ請求します。


 これに応じない場合、議員職を取り上げ、財産を没収します。勿論彼ら議員に退職金もボーナスも、給料もこれからは出しません。


また、現日本国政府の公務員の数は3分の1とし、給料は4分の1に減給の上、能力体制をしきます。


退職金、ボーナスは、支給されません。


吉田宗教大臣の見解によれば、神社所有地は、天照天皇へ返還、平和立憲の皇国に帰順する神官のみ登用、以外は財産没収となります。


武田厚生大臣の見解によれば、医療機関のミスがある医院に関しては廃止、医師、看護師も免許取り上げ、財産を没収します。該当する医師らの家族にあたる有資格者も、同等の処分に依って免許を剥奪され、二度と医療に携われなくなるので、国民は安心です。


集まった皇国へ害をなす不適任者によって、皇国公安監視下において、皇国および近隣諸国の原発処理を慣行します。この労役は皇国の信頼を培う上で必至です。


また、国内外のガス兵器の処理もその不適任者たちに掘らせますので、国民の皆様はご安心ください。


皇国の支持を仰ぐ国民の皆様は、今後、家、車、財産に税金を課せられることはありません。


高速道路は無料化されます。


日本政府の解体と共にアメリカ合衆国、イギリス、イスラエルより、皇国国会議員を招き入れます。また、世界の各新政府から大使を議員として招きます。


日本政府の解体後、警察庁を省に格上げし、陸上警察庁、海上警察庁、航空警察庁、警察情報庁、警察人事庁の警察五庁からなる。皇国最大の省を設けます。


 警察省は、総務機関となる環境総省の監督機関になる見通しです。


 皇国は更に、成果を得られない予算の承認や財政投融資を行った官僚や代議士、資金を得た地方公共団体や特殊法人等に対して新たに国家賠償法の基準を設け、ダムや第三セクター、不当なODAや海外派遣への出資を決定した人物を特定し、資格を剥奪した上で財産を没収、労役に課する方針です。また、恵沢を得た家族、親戚、関係者も詮索し、同刑に処する模様です。


 また、皇国はゼネコンなど癒着化した体制を払拭し、仕事の内容によって、施工を行う地元より業者を入札によって選定します。この入札へは、業者であれば誰でも等しく参加できるものとなる模様です。


今後は税に関する特別委員会が皇国上院議会に設立され、国民擁護の対策は万全となる見通しです。みなさま日本国国民は、皇国の主幹にたよるだけで、偏狭や圧迫から逃れ、自身の主権を確保することができるようになります。以上です。」




 マスターはニコニコしながらナショナルのテレビを切りました。


 また、大西さんが話しました。


「何の話やったかな、あ、そやそや、2013年、パレスチナ、イエルサレムあたりには要注意やで。


俺は普通に古来の神道と仏教だけで特には宗教やってないけど、神道系では大本教、天理教、金光教、真光教、仏教系では曹洞宗、浄土真宗、真言宗、天台宗、他の宗教宗派も手を携えて、この国を元どおりに、日出ずる国に帰すべきやとおもわんかな。


それには、金額だけが先行する儀式から手を引くことやな。


そして、素行の良くない教師を辞めさせるかして、正しく導いてゆくことやな。


宗教団体が結束して、それこそ、ほんまもんの老人ホームに、この国ごとしてしまえばいいのよ。わからんか、俺の言うていることが。


 資格だけ坊さんだと思っているからだめなんよ。


 文部科学省文化庁所轄と思っているからだめなんよ。文部科学省なんかは、未来を担う子供の学力を安易に引き下げていく。これ、考える能力を無くしていく方針や。


 まったく、今の政府の考えは浅はかで始末が悪い。


 あんたら宗教家はやな、たとえ若造でも、頭の悪い国家公務員なんかより担っている事の重さも、責任もあるのやで。給料なんて無いかも知らんけどな。


 ジョージ=ブッシュでもあの曹洞宗の式典にメッセージを贈ってくるわけや。


 若い宗教家は、まず国内の宗教観のバラつきを整え、人間の世の中をまず、極楽浄土にせなあかんわけや、分かるかな。


 何をせんな、あかんのか。ほんだら、考えてみいや。


 それこそ、みんなで手を合わせて。


 今、ほんまの意味で人と人とが手を合わせるのか、それともスラム化した世の中で暴徒と化した一般市民に殺される寸前の命乞いで手を合わせるのか、どちらが宗教者としての手の合わせ方か分かっているやろ。


 今、ほんまの意味で手を合わせる、協調することが大事と分かっているやろ。


 昔、日本には実際に海の大王っていう政治家がおってな、あのお方が作った憲法には、個人のために国家があるのではない、国民みんなのために国家はあるのだと書かれておられるわけや。


 大王自らそう言われたわけやで、さすがやな。


 そろそろあんたら宗教家は、日本に重く圧し掛かった蓋を開けたらどうや。


 日本国民を救い、世界の人々を救い、悪魔と呼ばれる人々でさえ救って、救って、救いまくらんか。それが、宗教家の価値だと俺は思うで。


 そのノウハウが、17条憲法や。分かったかな。よう、勉強するんやで。応援してるさかい。


まず、日本全国、老若男女に至るまで全員で、何が必要で何が必要でないのか、何をどうするのか、この国での指針を打ち立て、抜本的改革を行う必要があるねん。


抜本的って、わかるかな。はじめから全部ということやで。事細かく。


しかし、だいたいやねえ。


大原君やったか、あんた彼女いなくて寂しいっていうか。


 何をおっしゃいますやら。天地から愛され今生きてられるってことがどれだけ素晴らしいか。苦しみもがくことはない、ぼちぼち前向いて生きなさいや。


俺らも仮に聖者を盾にとって人に教えを説く必要ももう、無いわけや。あとはあんたら日本人みんなで考え。」


 


 そう言って大西さんは、日本酒を一合飲み干されました。


 大西さんの話にうなずいているマスターも、また話し始めました。


 「自分自身が、過去現在未来のいのちの故郷の一つだということに気が付かないといけないね。


 お互いに、それぞれが、未来においてはご先祖様なのだよね。


だから、この一時に私も、日本の故郷の話をしたわけですよ。何か説教話のようですが。大原様、私はあなたに限られた時間や制約のある中で、いかにすれば、自分だけではなく、多くの人を楽にできるかということをお伝えしたのです。


どうするべきかは、もう、わかりきっているのですよ。


 誰もが嘘をつかずに正直に暮らしたならば、話し合いによって一人一人の人権が、命が守られて、まさにあの古代の勾玉のように光を放ち、われわれ人類とすべての生き物が楽を得るようになるのですよ。


 生まれてきて良かったと死ぬ前に思えないような人生はお互いにしたくないものです。


 もし、あなたがた日本人が私たちの話を理解し、実践して行くのならばの話、悠久の夢の世界が、現実に、本当にあなたがたを待っている。本当に。」




 僕はマスターや大西さんのお話に、胸が熱くなるようなときめきを覚えました。と、同時に長時間のお話に疲れてしまった僕は、ここまで付き合ってくれたバーのみなさんに感謝の意を込めて「みなさん、ほんとうにありがとうございました。」と心を伝え、「それで、腕時計はいつくれるのですか、マスター。」と、マスターに冗談を言いました。眠くなった僕は、うとうとし始めました。


「ちょっと、聞いておられますか。」と、マスター。目をこする僕に、「あ、なんだあなた、さては眠っておいでですね。さ、これで顔をお拭きください。」と、お手拭をくださいました。


 <いや、眠っていませんよ、あはは。


 「では、しばらくお眠りください。私、布団を持って来ますから、あちらのソファーに横になってこころおきなく休んでください。」


 


<窓の外はまだ暗がりでしたが、始発の電車の音が聞こえます。明けの明星、金星が西の空に燦燦と輝いているのを見つめていました。


 街はもうすぐみんな目覚める。ゆらゆらとしたあの金星に眼差しをむけたままで僕はそっとまぶたを閉じ長旅の疲れを癒させていただきます。


最後になりましたが、美人に出会えるか出会えないかは人間の心もち次第だということをレポートさせていただきます。


それでは、ごきげんよう、さようなら。


おやすみなさい。




お手拭の中には、セイコーの銀の腕時計がくるんでありました。


裏の基盤には MADE IN JAPANの刻印がなされていました。


そして、「親愛なる大原氏へ贈る」と筆で書かれたメッセージカードが付いていました。


僕はその腕時計を左手につけて眠りました。


僕が幼いころ亡くなった祖父が、遊園地に連れて行ってくれるという夢を見ました。


森の奥の小さな社で、僕は正午のサイレンによって目を覚ましました。








平成16年2月11日建国記念日 日本歴大晦日 夜明けの晩に書き終わんぬ


西(太陽)暦2004年2月12日 仏歴2547年 日本(月)歴2664年元旦


人間キリスト誕生から2000年目を記念して、読者のみなさまへ贈る。




                            平等徹心 千田寛仁拝

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