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  • ◆◇◆への応援コメント

    クニシマさん、ご参加ありがとうございます!
    本作は、クニシマさんの小説というだけでなく「升原代利子のエッセイ」みたいな感じがあるのが素敵ですね。品があって少しクセのある文体も、70を少し超えたくらいであろう脚本家のキャラクターを形作る一助になっているように思われます。
    『かしまし天使』っていうネーミングいいですよね。「かしまし」のところは連続ドラマにありそうー! と思えるようなしっくりくる感じがありますし、「天使」は『おやすみシエフリーゼ』を含む幾つかのクニシマさん作品に見られる、まるで日の当たる窓辺で書いているような穏やかな質感を反映しているように感じられます。
    シエフリーゼってシェヘラザードですかね? フランス語っぽく綴るなら「shérelises」とかとかになるのかなー、ほなシェヘラザードとちゃうかあ、でも「shéherises」やったらシェヘラザードっぽくないかなー、とあやふやな推測ですが。
    なぜ『おやすみシエフリーゼ』というタイトルなのでしょう。シェヘラザード説に従うなら、シエフリーゼとは恐らく升原代利子のことを指すかと思われるんですよね。物語を語ったり作ったりするのは彼女ですから。「おやすみ」というキーワードから推測するなら升原姉や花間百合といった、姉の側に属する人に言っているのかなとも思うのですが、しかしもしシエフリーゼが升原代利子なら、なぜ「おやすみ」になるのでしょう。恐らく、叶わなかった彼女と姉の物語の終わりとはすなわち『かしまし姉妹』という物語の終わりだから、とわたしは推測しました。
    流石に升原さんが脚本家として『かしまし姉妹』しか書いていないということはあり得ないと思うのですが、この作品では『かしまし姉妹』との関係性に絞って描かれています。別作品の存在どころか升原代利子という作家全体の作風や傾向すら語られないんですよね。ここでの彼女の作家としての原動力はあくまで「姉妹の完全な姿」であるように思われます。徹底したズームと言えましょう。
    以上のことから『かしまし姉妹』の終わりこそすなわち升原代利子という放送作家の卒業である、という象徴が成り立つのではないでしょうか。
    狭く閉じた小説であることが魅力である小説だと思いました。書き込む内容を厳選し、ズームして、余計なものを入れない世界観だからこそ、升原姉妹と『かしまし姉妹』が重なる本作の構図は美しく成り立っているように思われます。それだけではありません。今回、企画のテーマ上未来や遠いところに向かって祝福を届けるような、広がりのある作品が多く見られる傾向にあると思うのですが、本作は全く違うアプローチで「祝福としての文学」に向き合った作品であるように思いました。『おやすみシエフリーゼ』って、幸せな姉妹という影を追い続けた老脚本家がやっと祝福を受け取ることができた物語でもあると思うんです。升原代利子がかしまし姉妹に送ろうとした祝福に比べて、ラジオから届けられる祝福の内容はとてもシンプルなように思われるんですよね。だからこその穏やかさと、彼女が報われたような温かさがある。
    素敵な作品をありがとうございました!

    作者からの返信

    ありがとうございます。素敵な読み方をしていただけてとても嬉しいです。
    重ね重ね、楽しい企画をどうもありがとうございました。

  • ◆◇◆への応援コメント

     FMラジオから物語が始まるように、ラジオを聴いているような心地よさに満ちた作品でした。古いシャンソンやフレンチ趣味の叔母といった要素が、物語全体にノスタルジックな雰囲気を醸し出しています。音信不通となった姉を思いながら書いた脚本が、それを演じた二人の女優の関係をつなぎ、ドラマとして残ることが救いだと評される。自身の行動が「わがままかもしれない」「エゴかもしれない」と不安を抱える主人公が、その脚本を通じて救われる、よい話です。
     過去と現在をつなぐ美しさを感じさせる一作でした

    作者からの返信

    ありがとうございます。お褒めいただき光栄です。

  • ◆◇◆への応援コメント

    何というか、私の好きな世界の絵が描かれているというストーリーでした。言葉も美しく、小津安二郎さんの映画を思い起こさせます。切なくて、それでいてリアル……。

    フランスというのが何だかリアルなんです。個人的な話ですが、自分も訪れた事のある国ですし、仕事で話した事のある人がパリ居住でもあったり。

    音信不通というのは、年齢を重ねると誰もが経験する哀しみですね。

    少なくとも自分にとって、小説を読んだり、書いたりする動機は、今はもう会えない誰かとの時間を永遠に縫いとめておきたいという一心なんです。その点では代利子さんと同じかもしれません。
    素敵なストーリーをありがとうございます。


    このお話のスピンオフも読みたいと思いました。平和な時代のある一日の事とか。

    作者からの返信

    いつもありがとうございます。励みになります。
    スピンオフ、ぜひ書いてみたいと思います。


  • 編集済

    ◆◇◆への応援コメント

     一段落あたりの情報密度が、参加作品の中で最も濃く、かなりパリッとした印象を受ける短編です。特に、主人公を通して「祝福を与える側」の視点が明記されていること、ここがこの作品の骨太なところだと思います。
     シエフリーゼという語の前提知識がないので、おそらくフレンチ趣味の叔母が呼んだ女性名詞ということなのだと思うのですが、そこをあえて詳しく書かずぼかすことで、作品に詩的な飛躍を試みたのだと思います。
     情景描写と心理描写のバランスも、まったく無理なく配置されていると僕は感じます。起承転結に完全に則った構成。作者さんによるそれ以上の文学的冒険も見てみたいです。

    作者からの返信

    ありがとうございます。精進いたします。