第2話 マンガの監修

■ 監修の作業


 今回初めて、マンガの監修という作業をしました。原作者チェックというやつです。どういうものなのかなと思いつつ、手探りで対応しています。


 この作業ですが、おそらく会社や編集部で違うと思います。やりとりしているデジカタ編集部は、かなりきちんとしているところだと思います。


 監修作業では、マンガ制作の各段階で確認が入ります。


 テキストのプロットで1回、ラフの段階で1回、仕上げの段階で1回、写植の段階で1回という感じです。修正があった場合は、修正後のページが来てまた確認します。


 毎回、1日で返さないといけないので、メールチェックを怠れないです。ネットから離れて数日旅に出ることはできなくなります。



■ テキストのプロット


 監修作業ですが、最初にちょっと驚いたのは、テキストのプロットが手書きで来たことです。


 文章書きや、プログラマーとは感覚が違うなと思いました。


 テキストのプロットに、ちょくちょく図が入っているのですが、別途画像ファイルを用意するより、こっちの方が早いんだろうなと気づきました。新鮮な驚きでした。



■ ラフや仕上げ


 ラフや仕上げの段階では、誤字脱字があれば指摘したり、台詞を直した方がよいと思う部分は指摘したりしています。


 小説をマンガ化している関係上、「マンガなら、この台詞は削れる」というところがあります。マンガの場合は、理解できる最小限までテキストは削った方がよいので。


 逆に小説は言葉のリズムなどもあり、わざと冗長に言う部分が演出として活きることもあります。


 原作が「説明芸」で、会話の文字数が多めの作品なので、削れるところは大量に発生します。


 あと、コマの流れ上、読者が引っ掛かると感じる部分があったら指摘しています。


 第三者が初見でしか気づかないバグみたいなものです。描いている本人や、ちょくちょく見ている編集の人だと、脳が勝手に補間してしまうので。


 ここらへんは、創作をしている人なら誰もが心当たりがあると思います。


 絵の修正依頼はないです。そこはマンガ家の方のお仕事なので。


 基本的に、自分の希望を出すということはなく、読者がつまずく部分を徹底的に排除するという方向性です。リーダビリティを徹底的に上げるというか。


 自分が小説を書くときの推敲に近い行為をしています。


2025年5月31日からピッコマにて連載開始

『楓先輩がHなネットスラングに興味を持ちすぎてツライ』

漫画:古鳥ろく

原作:雲居残月

https://digicata-pub.jp/c019101/


(次回「原作からの改編」に続きます)

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