学校の怪談「海坊主の水鏡」

沼モナカ

第1話

―――ねえ知ってる?学校のプール何だけど


 海が見える学校にいたんだ。

 その日は雨が降るかもしれない曇り空で、肌寒い中でプールの授業だったんだよ。

 先生と一緒に準備体操した後に、一人一人背泳ぎをしていたんだけど…

(プールの底から視線を感じる)

 そう思ったら気持ち悪くて、速く速くと泳ぎきったんだ。

 頑張って泳ぎきって、それで友達に言ったんだけど。


 みんなそんな事に気付かない。


 どうして?って思ってもみんな平気そうに泳いでる。

 信じられなくて、友達が泳いでる姿を見つめていたんだけど。

 その時に見たんだ。プールのそこに大きな目が浮かんでいるのを。

 どうしてだろう。今も何故動いたのかが分からない。でも自然と体が動いてしまったんだよ、海の方へ

「あ」

 海の空にはただ空があるだけで、大海原があるだけなのに。


 私の目には山のような大きな何かが捉えられていた。


 その時は気絶して、気がついたら保険室でベッドに寝てた。

 あの大きなアレは何だったんだろう。


―――海の学校のプールはね、海坊主が覗く鏡にしているんだって

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学校の怪談「海坊主の水鏡」 沼モナカ @monacaoh

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