Seeyoulater alligatorへの応援コメント
友情とも呼べる、しかしそれだけではないかもしれない曖昧な関係を描いた物語で、なんとも言えない魅力がありました。モラトリアムの時期を経て疎遠になった二人ですが、「その一言さえあればきっと会いに行ける」という結末には希望が宿っています。しかし、「きっと」という言葉に漂う不確かさから、二人が本当に再会するかどうかはわからない。その曖昧さが、逆に一言でつながっている感覚を生み、余韻を残しました。
特に、ワニがそのきっかけとなる点が印象的でした。シュールで物悲しい作品の雰囲気に軽快さを加え、「さよならアリゲーター」というタイトルにぴったりとマッチしています。この一言が織りなすつながりは、ささやかながらも心に響く祝福でした。
作者からの返信
もうちょっと硬いタイトルにしようかとも思ったんですがこれにして良かったです。
ワニって獰猛なイメージもあるけどなぜか親近感があって気に入っています。
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SeeYouLater,alligator.
お洒落ですな。この「何でもなさ」が日常譚の醍醐味であり、面白いですねえ。
サイゼの店内bgmはSpyroGyra版の鈴のキャロルが思い出です。
若者ってこうだよなあと思いつつ、僕が学生時代の僕に声をかけるとすれば何だろうかといえば、やはりこの小説の主人公のように何も言わないのだと思う。僕も陰キャだし、会える距離に学生時代の知人がいるのは分かっているものの連絡のレの字もない(例外を除いて)。
これ読者が女性だったら、また違うのでしょうね。「友情」という性質が持つ価値が異なる。無粋なことを言えば、対人関係をよりプラグマ的に構築する読者がいたなら通用しないかもしれない。
何にせよ、重ね合わせたなら心を動かす気だるさが感じられて、僕は好きですね。
作者からの返信
自分はUターンして地元に戻ったので大学時代の人間関係ってほとんど残ってないんです。卒業式にも行かなかったから友人たちに別れの言葉も告げられなかった。
友情の形は千差万別だけど、別れの方はこんな感じのなんでもない終わり方が多いと思うんです。そこに虚しさ以外の何かを見出だしたかった。
ワニの話とか人によってはただのギャグに見えてしまうかもなと思っていましたがお洒落だと言ってもらえて良かったです。
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鍵崎佐吉さん、ご参加ありがとうございます!
曖昧で不確かであることを祝福するような小説でしたね。4000文字に満たない文字数の中で、意味の緻密な組み立てをしながらそれでいて狭苦しさを感じさせない、素敵な作品だと感じました。
カズキと有本の「友達みたいな何かだった、そんな不確かで曖昧な関係」はモラトリアムの終わりによって一つの限界を迎えます。しかし、二人は約束と祈りの言葉によって、不確かな繋がりのまま不確かであることの限界を越えていく。
「ワニ飼ったら教えろ。見に行くから」
彼らにとって、ワニの話題が出たのは一年前や二年前のことなのですよね。現実の人間なら覚えているかどうか微妙なラインです。だからこそ両者がちゃんと覚えているということが尊い。互いにとって印象深かったのでしょうね。このやりとりのおかげで彼らがどこかで通じ合っていることが保障されているように思えました。
ワニというチョイスがいいですよね。不確かな、ありもしないような展望の象徴として。大金がなきゃ飼えなそうですし。ライオンだったら猫の延長のようなイメージが付いてくるでしょうが、ワニです。懐くイメージもありません。よしんば飼えたとしても、ネコ目の動物のような「飼っている」感の強い飼い方はできないでしょう。漠然とした同居のようになりそうです。ワニに見えるのが普通の車ではなく、何となく高そうな「外車」というのも、この作品の象徴系を支えているように感じられます。一方で、主人公たちが食事しているのが「サイゼリヤ」という現実離れしていない、ある意味手頃な場所だったりするなど、経済面の構図はあるのが面白いですよね。「ワニ」のとりとめもない絵空事っぽさが増して。ただそれが余計なノイズにならないように上手くコントロールされている。有本がミユキ先輩にフラれる理由を「生理的」なものにすることで、人間関係に金など外的な要素が入ってこないようにしているんです。「ワニ飼いたい」と告げられたときも「金かかるからムリだろ」なんてツッコミは入りません。あくまでモラトリアムのふわふわさがドミナントカラーになっている。このようなところから、シンボルの組み立てに緻密さとしなやかさを感じました。
あと「て」や「で」の接続で文章を繋げる緩やかな語り口も、二人の在り方を表しているようでとても好きです。同時に、この語り口が物語において語り手としての地位を獲得していることが祝福の一部として美しい。4000字分の時間、彼らの過ごした世界を写したような質感に浸ることができました。一人称だからこそこんなに良い作品になのだなあとしみじみ感じております。
素敵な作品をありがとうございました!
作者からの返信
丁寧な感想ありがとうございます!
藤田さんのチベットスナギツネの真似をする女の子の話が好きで、自分もああいうちょっとマイナーな動物が何かしらのモチーフになってるお話をやってみたかったんだと思います。
ワニ、飼おうと思ったらどのくらいかかるんでしょうね。ちょっと小さめのやつとかもいるらしいですが、餌代がとんでもないことになりそう。まあワニどころかトカゲすら触れない自分には縁遠い話ですが。
それはさておき、素敵な企画をありがとうございました。