異世界賢者は現代知識で成り上がる ~ポンコツ王国で始める最強改革録~

ゆずの しずく

第1話 落ちこぼれ村で目覚めた“賢者”

目が覚めると、そこは石造りの天井と木のベッドがある小さな小屋だった。


「ここは……病院? いや、違うな……」


がらりと扉が開くと、入ってきたのはボロ布のような服を着た少女だった。


「お兄ちゃん、大丈夫? 倒れてたんだよ、村の外で!」


どうやら、俺は山奥の辺境村・グレイヴ村で拾われたらしい。しかも体は15〜16歳の少年のものに若返っている。


食料は乏しく、医者もいない。人々は疫病や獣の襲撃に怯え、国から見捨てられたような村。

だが――ここでこそ、俺の「知識」が光る。


「井戸を掘る道具がない? なら、てこの原理と簡易ボーリングでやってみようか」


「保存食がない? じゃあ干し肉と簡易燻製器を作るぞ」


「薬草の使い方? 調べたことあるぞ。煎じて煮てみろ」


村人たちは口々に言った。


「尚人さんは“賢者様”だ!」と。


いやいや、これは中学理科とネットの知識なんだけどな……。


そんな俺のもとに、ある日、王国の使者がやってくる。


「ラーナ王国より通達。辺境の民よ、魔王軍の襲来に備えよ」


――魔王軍? なるほど、戦乱の世界ってわけか。

いいだろう。知識で成り上がるってのは、こういう時こそ真価を発揮する。


「戦争を止めたければ、まずは武器の改良と食料確保。それと……王国の制度改革からだな」


こうして俺は、魔法と剣が支配する世界に、現代の科学と知恵で革命を起こす旅に出る。


次なる舞台は、腐敗した王都――

そして、出会う仲間は、魔法に絶望した天才少女、誇り高き獣人戦士、魔族の血を引く錬金術師。


異世界×現代知識×無双。

神にすら「予想外」と言われたチートな賢者の伝説が、今、始まる――!

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