第6話 風紀委員室

 ――なんだろう?

 俺は心の中でそうつぶやいた。

 

 俺は授業中、ある事が気になっていた。

 「風紀委員室」なるものがこの学校にはあること。そのことだった。


 一体どんな部屋なのか?

 苦手な数学の授業中、俺は集中できないでいた。


※※※

 

 夕方にもなると、校舎内は静かになっていた。俺は階段を上がり、廊下を歩いた。すると風紀委員室のある壁が見えた。


 ゴクッ。

 俺は唾を飲んだ。


 ――怖い。


 俺は扉をノックした。

 すると、向こうからの声はなかった。

 自分から声をかけるしかないか。そう思った。


 観念した俺は扉を開けると頭を下げ、口を大きく開けた。


「し、失礼します!」


しかし。


「……」


 あれ? 返事がない。

 俺は頭を上げた。すると


「……」


 俺は何も声が出なかった。

 部屋には誰もいなかったのだ。


 あるのは、事務机に置かれた段ボール箱と、壁に付くように置かれた二人がけのソファ。そして壁の四方に配置された棚。その中には事務用品のファイルが整然と並んでいた。


「ここで本当に合ってるんだよな……?」


 この部屋。学校側は相談室としか説明してなかったはずだけど、それが風紀委員のための部屋になっていたのか? 俺は思った。


 置かれた段ボールの側面には、「落」がマジックで書かれていた。

 すごく気になった。

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