異世界で使い魔を召喚し生き残る
ピエロ?
第1話 バーサーカー
石造りの床に白いチョークで書かれた魔法陣の中に自分の血液を注ぎ呪文を唱える。
十節にもなる詩のような呪文の詠唱を終え私は右手を魔方陣に向かって突き出し命令する。
「暗き血と数多の魂からなる大海より、わが下僕となりて来たれ」
魔方陣が光始め辺りを赤い霧が満たし召喚が成功したことを示していた。
私は手で霧を晴らしながら何が召喚されたかを確認する。
もしかしたら生徒会長のようなドラゴンかもしれないし風紀委員長のようなかわいい精霊かもしれない。
そう思って期待に目を膨らませ霧が晴れた魔方陣を見るとそこにいたのは、巨大な竜でも強大な魔法が使える妖精でもなかった。
「GAaaaaaaaaaaa......!」
耳をつんざく獣のような咆哮を挙げる黒い鎧に身を包んだバーサーカーだった
「なんでぇぇぇぇ」
負けず劣らずの声を上げて悲観する。
なぜかって、そりゃ召喚魔術では大昔の神代にある創世の海から使い魔を召喚する技なのだから多くは召喚して従えられない多くても5は超えないだろう。
だから人のように協力して強くなる生き物より完全な個として生まれたもののほうが強い。
事実、二匹のドラゴンを従える生徒会長はこの召喚魔法学校でも最強格だ。
人型の使い魔でも強いものはいるが人の身で強いものはなかなかいない。
「でもほんとは種族が違ったり隠された力があるんじゃ!」
そう言って、自分が持っている魔導書をくまなく見ても内容は変わらなかった
ちくしょう!
そうして、あがいていると先生が出てきて召喚室から退室を告げられ次に召喚を始める生徒が入ってきた。
急いで使い魔を自分の魔導書に戻しとぼとぼと教室に戻ろうとしたときゲラゲラと大きな笑い声をあげ指をさしてくる男がいた。
その男はずかずかと近づいてきてさらにその顔をゆがませたのだった。
「おいおい、お前の召喚はどうだったんだよ!」
「どーせ、ろくな使い魔を召喚できなかったんだろ」
「何せ、魔導書の表紙が害獣なんだからな」
そう言って、また笑い始める。
だが、その嘲笑はこの世界ではあまり間違っていない。
なぜなら、魔導書は生まれて初めて魔術的な加工をされた白紙の本を触ることで生まれその人を象徴する名前がタイトルとなって神代とのパスをつなげ自分の象徴にあった使い魔の召喚をてくれる。
私は、普通ではなかったみんなが、○○の○○や○○の書とか○○経典とかとにかく私の害獣以外にも何か言葉がつくのだがそれがないうえ害獣ではイメージが悪い。
残りの二文字が何かわからないがほかの図鑑のような魔導書と違って詩集のような小ささと内容の薄さだ。
そのあとも、嘲笑と暴言が続いたが血を大量に使った私は疲れていた。
はい、はい、はいと適当に流していると周りから驚きと生意気がこもった声が上がった。
まずい、私は何言っていたかまるっきり聞いていない。
そもそも私は、貧血で気が付かなかったがさっきから初対面の人に笑われていたようだ。
「ところで、すみませんどなたでしょうか?」
「生意気にも決闘を受けたくせに決闘相手の名前もしらないと!」
「あ、はいそうです、でなまえは?」
「っぅ、フランクリン・ベンジャミンだ」
私は、知らないうちに決闘を受けていたようだ。
それもベンジャミンっていう人の誰だろう。
「あの害獣、ベンジャミン侯爵の御子息に決闘だってよ」
そんな、陰口が聞こえてきた解説ご苦労。
ベンジャミン侯爵なら知っている確かゴーレムの使い魔で有名なところだったはず。
うーむ、仮にも侯爵の御子息であるフランクリンはこんな性格で大丈夫なのだろうか。
「おぉ、なんだこの険悪な雰囲気はなにぃ決闘騒ぎだと相手はふーん」
「よしいけぇ」
相変わらず酒の匂いがする担任は、あろうことか発破をかけた
貧血で頭は回らない上に担任まで出てきちゃったこれではいくら弁舌であっても今更、なかったことにすることはできないだろう。
「先生は、止めなくていいんですか?」
「生徒同士のいさかいは決闘で決めるコトンあっているし例年もしばしばあった」
「それになあ、うちの生徒が侯爵様の息子を倒したら給料もupだろう」
どうしようかと考えるがやっぱり無理だ貧血は私から相当な思考力を奪ったようだ。
あれよあれよという間に闘技場に案内されてしまった
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