理不尽な力関係に支配された田舎の高校で、それに抗おうとする2人の少年と1人の少女。鬱屈した中にも微かな温かさがある日々でしたが、そんな日常が惨劇へと向かうのは止められず……登場人物たちのリアルな痛みや心から発する言葉が胸に突き刺さり、読み進めるのが辛いのに読む手が止まりませんでした。シンプルな復讐ものではなく、幾重にも絡み合った感情が押し進める結末への流れは圧巻です。ものすごく感情を揺さぶる物語でした。
一気読みしました。逃げることが許されない檻の中で、露見しないイジメについてリアルに書かれていました。イジメた側にもなにか理由があるかもしれない、更生するかもしれないという一縷の望みが頭をよぎっても、その思考を超えて自分の考えた『正義』をどこまで貫くのか。難しいものです。没入感が高く、物語に引き込まれました。
実際の事件などをうまく組み立てているな、と思いました。しかし、感情、心情は作者が導いているもの。その部分で、読み進める手を止めることができませんでした。引き込む力が凄い。そういう作品です。
高校生のいじめの複雑さとそのリアリティを、余す所なく書き綴ってくださっています。非常に苦しいことですが、実際こういう事件はそこここにある。筆者さまの勇気とリアリティへの真摯な取り組みが、少年たちの心理や遺族の言葉等、すべての精緻な描写に込められています。よくここまで書いて下さった。
心が痛みますが、いじめを題材としており、現実でも、このような事件はあります。このような世の中を作らないよう、世に広く広まって欲しい作品です。道徳としても、いじめをしてしまう未成年や、いまだに、このような事を起こさせてしまう社会を作ってきた大人達は、この作品をみて、少しでも子どもが安心して通える学校が作られる事を刹那に祈ってます。※心臓の悪い方、笑える作品を読みたい方には、オススメできません。