第14話 ライバルの影と、揺れる心

文化祭の花火から数日後。

学校に新しく転校生がやってきた。


彼女の名前は、美咲(みさき)。

明るくて社交的、誰にでも分け隔てなく話しかける人気者だ。


そして、なぜか佐倉くんも彼女とよく話すようになって……。


「ねえ、あの転校生、佐倉くんとすごく仲良さそうじゃない?」


クラスの女子たちのささやきが、私の胸にひりひり刺さる。


佐倉くんは何も言わないけど、

私の心はだんだん落ち着かなくなっていった。


* * *


ある放課後。

ふたりきりになったとき、勇気を振り絞って聞いてみた。


「佐倉くん……美咲さんのこと、どう思ってるの?」


彼は真剣な顔で私を見つめて、ゆっくり言った。


「美咲は……友達だよ。

でも、俺が好きなのはおまえだけだ」


その言葉に胸がいっぱいになって、思わず涙が出そうになる。


「信じてる」


だけど心のどこかで、まだ揺れている気持ちがあった。


* * *


その夜。

私は決めた。


「もっと、彼に好きって伝えよう」


次の日から、ちょっと大胆に、でも自然に。

彼の隣にいる時間を増やしていった。


嫉妬も不安も、全部受け止めてくれる彼が、

やっぱり私は大好きだった。

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