第1章ー魔少女の咆哮ーその6

その6

麻衣




その2日後、久美の”結論”が出た


「麻衣、私もやるよ。3人と一緒に。でも、正直恐い。本当に大丈夫なの?警察とか、やくざとか…」


「その答えは馬美が河川公園で言った通りだ。リスクは大きい。大丈夫だとは言えないんだ。その上でだから。なあ久美、不安ならやめた方がいいよ。無理しないでさ」


「…でも、やりたいんだ、私。麻衣とはいつもそばにいて、いろんなことを…。だから、背伸びしてるのはわかってるけど、高校入ったら自分を変えようと思ってたから。麻衣といきなり友達になれて、私は変われるって気持ちになれたんだ。アンタがその辺の高校生とは違うってのは、私でもピンと感じることができたし。だから、足を引っ張ることもあるかと思うけど…。私、決めたから」


「わかった、4人でやろうぜ。夏までにはチーム作って南玉連合に押しかける!」


「うん!わあ、凄いなあー、南玉連合か…。夢みたいな話だけど、麻衣と一緒ならなんだか実現できそうな気もするよ。私、頑張るよ!」


「おお、頑張ろうや、みんなで」


よし、これで4人が揃ったぞ‼


...



久美は確かにアタマ弱いし、何かにつけてトロい


でもさ、人に取り入る能力とかがあるみたいだ


だから、すぐ誰とでも友だちになれちゃうんだろう


それって、間違いなく才能だよ


何しろあの二人を選んで私に引き合わせてきたって目効、ハンパねーし


まあ、本人は自覚なしにごく自然な人選だったんだろうが(苦笑)


何しろだ!


久美のそういう面、今後も何かと活かしていけそうだわ


当面、私のそばに連れて行動を共にすればいずれ化けるかもだ



...



さあ、さっそく資金調達作戦に取りかかるぞ!


久美が不安がるように、えらく危険を伴う”バイト”だから、そう長くはできない


最早に最低限の目標金額を集めて、さっさと撤収だ


”その次”も考えはできてるし、とにかく大事なのはスピードだって



...



おそらく南玉連合が”赤い狂犬”体制になるのっって。もう秒読み段階だろう


ここで一気に加速する狂犬さんのイケイケ路線に乗っかってやる!


ここ都県境じゃあ、今、弱小チームが乱立して、みんなここらでしょぼんと走ってるだけだ


そんなんじゃ何の意味もない


この都県境は猛る女の地なんだ!


そこに怪物・紅丸有紀さんが赤塗りの種を撒いてくれた


なら、赤い狂犬・合田荒子さんの言うように、どんとでっかい実を咲かせなきゃね


夏が終わる頃にはね、はは…











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