怠惰な悪魔の義娘育成記

シンゴペンギン🐧

第1話 halo

木漏れ日が響くそんな生い茂る森の中、どこか巨大な存在を醸し出す青い洞窟、この森の名は終末の森。


冒険者と呼ばれる人間達の最高峰Sランクさえ生存が難しいと思われる異界に近い場所。そこに住むのは。


「今日もいい日だ、空気がうまいってな」


黒いシャツに黒いジーンズに黒のオールバックに長い犬歯に紅い瞳、190センチほどの痩せ型の男。一重にどこか飄々とした雰囲気をもった美麗といっても差し支えない男。魔素とよばれる魔法の素となる充満するなかで何の影響もなく歩いている。


魔素はこの世界の生物が魔力を行使する際に必要とされるものではあるが、容量というものがあり、長く鍛えれば容量は広がるが、広がる前に魔素の濃度が凝縮された場所にいると大概魔素酔いといって最悪死に至る。



ここの森の魔素濃度は通常の土地の1000倍、通常の生物では生きる事ができない土地である、大自然に開拓もされてない鬱蒼の森、そんな異常な土地で過ごしている一人の男。



男は懐から煙草を取り出すと一服をする。銘柄はこの世界でもっともポピュラーなオレンジの匂いが薫る香草の煙草。


切り株の上に座りながら煙を吐くと


「今日もなんてことのない一日が過ごせる、実にいい、俺には剣と魔法のファンタジーは刺激が強いんだよねえ」



男の名はスロウス、種族は悪魔、前世は日本人として過ごしていた青年だった。何のことのない大学生という人種。ただひたすらに友達や家族と過ごしていただけの人種だった。


とある事故にあい、神に会い、この世界の進化を促すように転生させられ新たに生まれたのは悪魔という種族、多くの同胞を屠り敵対する種族を屠り、あらゆる魔法とスキルと武具を手に入れ挙句の果てにはダンジョンを手に入れてダンジョンマスターにまでなってしまった。


彼が転生して1万年の時が経ち、彼は大悪魔として名前を刻まれた、遠い記憶天と魔の戦いでは人の味方になり天と魔を屠り続け、とある機械大戦の時はとある機械人形を駆り戦い抜いた、時に神を天使を魔を狩り多くの伝説を打ち建てた。


そんな彼の二つ名は「怠惰の悪魔」


その名の通りあらゆる生物を弱体化させ、あらゆる力でなぎ倒す大悪魔。


そんな恐れられる悪魔が出会ったのが・・・。



「おいおい、マジかよ」


吸った煙草を自らが産み出した炎で灰にすると。



目の前の大樹へと足を運び覗き込んだ。



「ここに赤子?」



そこには乳母籠に眠る可愛らしい赤子がいた。




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