参国史遠戲(まだ仮題)

エトーのねこ

第1話:みんな~、ロリコン~なのね~、いっぺんし~に~なさい~(三国志のテーマの某動画シリーズにおける歌詞より引用(オイィ!?

  前略母上様、晴れて私は軍勢を立ち上げることに成功致しました。一日も早く乱世を静謐させて、健やかな未来を子孫に残したいと思っております。ですが……。


「へっへっへ、姉ちゃん達可愛いなあ」

「どうよ、俺達と一杯」


  見慣れない人達に囲まれて、いささか戸惑っています。



 後漢末期、長く続いた漢王朝の世は、宦官の跋扈と外戚の跳梁、そして天変地異によって滅亡の危機に瀕していた。

 国家が死につつあるということは、つまり誰もが嘆き、憤り、苦しみ、明日のことすら見えずにいた。

 そんな中、張角と名乗る何らかの宗教の教祖が信者を率いて叛乱、その動きは初動に成功したこともあって、漢王朝の滅亡はいよいよカウントダウンとなった。いわゆる黄巾の変である。朝廷はこれを討伐すべく軍を編成し、各地の群雄も立ち上がった。

そんな折りに、ある三人の乙女も群雄に加わろうとしていた。

 劉備、種族はエルフ。中山靖王の末裔を称した住所不定無職。

 それに続くは、彼女と義姉妹の契約をしたハーピィ、関羽と張飛。彼女達が歩きだした未来は、果たしてどこへ向かうのか。


「お姉、どうしよう」

  話しかけてくるのは益徳。うん、貴女達なら勝てると思うけど、面倒だしいいわよ別に。

「事を荒立てるつもりはないわ、ここは韓信の事例に従いましょう」

「姉ちゃん、ひそひそ話してるけど、どうするんだい?

 ……それとも、痛い目みねえとわかんねえか」

  あーあ、短気だなあこの人達……。とはいえ、なんだけど。

「わかった、わかりました! ……とはいえ私達は路銀もありません、他を当たることはできませんか?」

「ひゃっっひゃっっひゃ! ……なんだ、金子の心配なら別にしなくていいってことよ。……誘ったのは俺達だ、奢ってやるよ」

「は、はあ……」

  ……まあ、そう言うとは思ってました。多分酔い潰して犯そうってことよね。……ゴメンネ?

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