武州文粋

ポッサムマン

振武軍賦 (一)

 九天捲暗雲越関   

 東叡已無人未還              

 豈不報君恩拱手

 我郊村以為邙山



 九天暗雲捲きて関を越ゆ

 東叡已に人無く未だ還らず

 豈君恩に報いず手を拱かんや

 我郊村を以て邙山と為さん



 空を覆う暗雲のように朝廷を倒幕派が制し、関東に迫ってきた。

 上野の山には已に人はおらず帰還した者もいない。

 どうして将軍家の御恩に報いず静観していられようか。

 我々は江戸郊外の村を自分の墓場にする覚悟だ。

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