朱月の王と小さな靴の踊る町
KaoLi
【プロローグ】差し伸べたのは血濡れの手
——「お前も、一緒にくるかい?」
その時、どうしてそんな言葉を「彼女」にかけたのか、正直なところ憶えていないし、むしろ自分が聞きたいくらいだった。
けれど今思えばその出会いは必然であり、逃れられない運命だったのだと断言できる。
ただ彼女にも思うところはあったのだと思う。
無理もない、目の前の惨劇は僕自身が招いた結果である。
血濡れの僕の手を、掴む確率など1%にも満たないと思っていた。しかしながらその1%を満たしたゆっくりと伸ばされた手は、少女らしく震えていた。
掴み、思う。
彼女は僕が守らなければ……と——。
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