04. 本性に気付いた夏(2)
ぼくは、おそるおそる
陽の光に
子供たちが鳴らす鐘の音は、まるで遠くで奏でられているかのように、
「
いないということを言うのは、どこか恐ろしかった。強盗を前にして、自分が
「いまはいないです」
「そう……」
入江の向こうの大海の上を、風に乗った雲が
「彼女がほしいって思わないの?」
どうしてそんなことを
「むかし、
身震いをためらうことはできなかった。しかし優子さんが纏っている雰囲気には、どこかぼくを
「写真で姿を見ただけなのに、好きになっちゃったの。千弘くんには、それくらいの魅力があるのよ。いまは彼女がいないと言っていたけど、これから先、何人もの女の子を泣かせるに違いないわ。だけど、わたしは千弘くんになら、泣かされてもいいと思ってる。どう? いまはわたしも彼氏がいないから、付き合うことができるのだけど」
優子さんは、
「どうかしら?」
ぼくは優子さんの魅惑の前に、あえなく
海の匂いのするハンカチ 紫鳥コウ @Smilitary
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