第4話 約束

あれから1週間が経ち

いつしか私と満桜は意気投合し仲良くなった

満桜は身長がリナより小さいが同い年だった

でもまだなんの病気かは聞けてない

自分より重い病気なのかは確か


今日も河川敷に満桜と暇つぶしに来た

満桜と会ったらなぜか心臓がうるさい

毎日薬を飲んでるのに


だけど1時間待っても満桜は来ない

いつもなら先にいるのに

すごく胸騒ぎがする

いつもニコニコして子どもみたいでふわふわしてる満桜になにか、あったんじゃないかって


「リーナちゃん!待ったぁ!!?」


ま、満桜っ!!

この低くも高くもない声がこんなに安心できるなんて思ってもなかった


「満桜っ」


「どしたのリナちゃーんそんな不安そうな顔してさ」


「いやっ」


恥ずかしい心配してたのバレたのか


「あははは看護師さんと喋ってたら遅れたんだぁごめんね待たせたね」


「待ってなんかない」


「リナちゃんかわいくないよ〜もー素直じゃないんだから」


「死んだのかと思った」


一瞬満桜の顔が引きつったのが見えた

言っちゃいけなかったね


「あ、あはは何言ってんのリナちゃん置いて死なないよ〜」



そんなこと言っても顔は笑ってない

もう聞いちゃおうかなこの際


「あのさ満桜ってなんの病気なの?」


「えっ」


「いや言いたくなかったら言わなくてもっ」


「原発性肺高血圧症」


そう私の言葉を遮るように言った

「え?」


原発性肺高血圧症って完治しにくいって聞いたことある。え、ほんとに?


「あははリナちゃんも教えてよ」


「ま、まって先に行けないよ。その病気ってさ」


「言いたいこと分かるよ。今のところ治らないかな」


「いつから?」


「これは生まれつきなんだよ」

「ちょっとでも運動したら息切れして倒れちゃうまともに走ったこともないし学校も行ったことない」


「そう、だったんだ」


「この前ね先生から持って4月までだって言われた今7月だからあと13ヶ月かなっ」


「そんなっ」


「俺の名前満桜なのに満開の桜今年は見れないかもねっ名前負けしてるなぁ」


「嫌だ、見ようよ私と見ようよ満開の桜っ!」


「ははっリナちゃんどうしたの?いつもとちがうじゃん」


「そんなのまだ満桜と仲良くなったばっかなのにっ」


「リナちゃん、まだわかんないって俺まだ元気だしさ、ね?泣かないでよ〜リナちゃーん」



無意識に取り乱して泣いてた

ほんとに心から友達だと思えたのに

いつか居なくなっちゃうなんて耐えれない


「リナちゃんは可愛いね」


その時私は満桜に抱きしめられた

頭を撫でられながら私は満桜の小さな胸の中で嗚咽しながら泣いた


出来れば私の人生半分あげたいくらい


「ごめんね、リナちゃんがこんなに俺といい関係築けてたなんて分からなかったいつも冷たいからさ」


「ううっっ」


「こんなに泣かせてしまうなら誤魔化せばよかったねごめんね」


「謝らないでっ」


「4月までさ俺といっぱい思い出作ってよ」


「分かった約束するよ」


「リナちゃんのも教えてよ」


そういった時満桜の顔が近ずく

すごく、胸が痛い

だけど何故か心地良さも覚えた


「私は心筋梗塞なんだ」


突然あの日倒れた時の話を満桜に話した


「そうなんだね俺と一緒で走ったりできないんだね」


「満桜の方がしんどいよね」



「お互い様だよ〜リナちゃんは生きてね僕がもし死んでも僕の分まで」



「そんな事言わないでよ5月も6月も再来年も一緒に生きようよ」


「何告白?リナちゃん!」


「茶化さないでよ!!」


あはははっと大きな口を開けながら頬に笑窪をつけて笑う姿に胸を打たれた

すごく苦しい



「あ、もう5時だ話過ぎちゃったね俺もう帰らないと」



「もうそんな時間なんだっ」



「ははっそんな顔しなくても明日もここで会おね?」


私の心読まないでよばかっ!



「別にっ」


「俺の病気話したんだからそろそろ素直になってよ隠し事なんてもうないんだからさ〜リナちゃーん」


「明日は昼ごはん食べたらここに来るから」


「分かった!すぐ食べるわ!じゃあねリナちゃん!!」


そう言って手を振って満桜は向かえの病院に帰っていった

この満桜といる4時間が一瞬に感じた

と、共に満桜を守りたいとも思うようになった


笑い合うその時間が、永遠に続いてほしいと願った。たとえ叶わなくても、この一瞬がきっと私たちの宝物になる。






そう信じていた。

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