~Legend of neet~ はじまりのくつ  

めいき~

第一章 現代編

プロローグ 何の力も持たない幼女神

ここは、怠惰の箱舟最下層。その名を、命の終わり。


深淵ともいうべき、一切の光が届かぬ闇の底で今日も小さな段ボールの中で寝起きをする。エノの本体が居た、それをダストや光無がおしぼり等で顔をふく所から彼女の朝は始まる。



「おはようございます」


「あぁ、ダストか。おはよう」


「珍しく、うなされてましたよ」


「そうか? 昔を思い出していたからな」


「俺を、薄汚れたゴミ捨て場で拾ったあの時よりもですか?」


「あぁ、この身はかつて何の力も持たないエタナという幼女だった。今、私があやつっているあれはかつての自分だったならきっとあぁすると思って動かしている人形に過ぎない。つまり、エタナはもうこの世にはいない」


「最恐にて最強で最狂の神エノにしては、おかしい事をおっしゃる」


「ふふっ、私だって後悔したり。かつてを思い出しては、涙したりもするものさ。変な夢だって、見る事もあるだろう。嫌ならそれも改竄してしまえばいい、だが生憎と、私はあの頃の私を自分の中で消し去らないからこそ正気を保てているといってもいい」


「そうですか、所で昔のエノ様ってどんな神様だったんですか?」


「そうだな、今日はどうせ暇だし。ゆっくり、聞いていくか?」


「是非、お願いします」


こうして、ゆっくりとエノが自身の昔話を話し始めた。

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