心を開く

多くの人が誤解している。


「心を開いた」という言葉を耳にしたことはありますか?

親友、恋人、親、恩人、自分の人生においてかけがえない存在と巡り会えた時に使う言葉だろう。


あなたが私に寄り添ってくれたから私は心を開いたの。


本当にそうかな?

人は最初から心を開いている。


心がもしも質量を持つ物質ならば、

身体と同じで開いたら出血する。


腕、お腹、脚どこでもいい、切り傷を入れて傷口を開けば血が流れる。


人に心を開く行為は自殺行為と同じだと思う。


それでも平気な人は、きっと心を開いた相手が傷口を縫い合わせてくれる糸なんだろう。


開いた傷が深ければ深いほど、血は多く流れ

縫合する糸は赤く染まり、やがて赤い糸へと変わる。


自分に寄り添ってくれたから心を開くのではなく、開いた心から流れる血を止めてくれる糸に巡り会えたにすぎない。


人は誰かと接するたびに傷口を開き、血を流している。そういう生き物なの。


だから他人と関わろうとすると心が痛むの。


私は決めた。これ以上痛みを伴いたくないから誰にも心を開かない。




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