第2話 群像劇〜表記の工夫
群像劇、好きなんです。
ヨムもカクも。
複数の男女が右往左往するの、好きです。
カクのは、確かに難しい。
同時に複数人紹介されても、覚えられない、対応できない。
現実世界でも、作品の中でも同じかもしれません。
そこで、本作では、ちょいと策を考えました。
私の作品は、元々セリフ中心だったりするのですが、
本作においては、セリフに役名をつける、
(脚本は脚本で、そのスタイルは好きなのですが、)
脚本のようなことはしたくなかったのです。
ならば、誰が話してるセリフかを明確にする工夫として、
主人公、
他者のセリフを聞いた時の反応やコメントを、
いちいち付けることとしました。
例として、第1話の学校帰りのシーン。
メインの登場人物6人が一気に喋り出すのですが。
◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️
「よーし!じゃあ、明日の打ち合わせするから。
学校から帰ったら、いつもの公園に集合な。」
言い出しっぺの
「お昼食べてからだから、1時でいい?」
「いいけど、忘れ物するなよ。
明日の持ち物チェックするんだからなぁ。」
学級委員だった
「僕、、、、さあ、、、、ちょっと、、、。」
「何だよ!?
「僕、今日午後は、母親とスマホショップ行くんだ。」
「おー!いよいよ
「いいなぁ!
「無いと困るよなぁ。今時は友達付き合いもできなくなるかもよ。」
そう言いながら、
最新型と
「別に無ければ無いで、なんとかなるよ。」
「そうよねぇ、、!!って、
「ねぇ、誰か親を説得する、いい方法を考えてよ。」
「そう言う時こそ、
スマホを操作する
「ガ、ミ、ニ、って何?」
「
なんでも答えてくれるんだよ。」
あたしもすでにスマホ持ちで、ちょっと自慢げに答える。
「ホイ!答え出たよー。」
「イチ、親の不安を理解して、たい、さ、くを、、、する。
ねぇ、この漢字、なんて読むの?」
「て、い、あ、ん、だよ、提案!」
「
スマホ持つ資格なし!」
「ひぇぇぇ、お許しください、お姫様ぁ!」
「お姫様じゃないわ、そう、私はラブリーハルコ!
愛と正義の戦士、ラブリーハルコよ!」
なんか、変なポーズ決めてる
でも、かわいい。うらやましい。
「それ、カワイー!私にイラスト描かせて!」
「うん、
中学からはこれでいこう、ラブリーハルコよ。」
「で、イチ、の次に、二番もあるの?」
ちゃんと周りを見ているんだね。
それに気付く私も偉いよね。
「えっと、ね、二はね、スマートフォンのメリットを伝える、だよ。」
「たとえば?」
「うんとね、連絡手段として、特に非常時に有効、だって。」
「そう、私、中学から電車通学になるから、
途中で何かあったら連絡しなさい、って、
それで買ってくれたの、ママが。」
そういえば、
「うちもね、ひとりで留守番している時に何かあったら困るからって。」
あたしは、おかあさんが職場復帰する時に、
スマホが与えられたんだった。
「だったら、あり得ないわ、
「そうだよね。
あっ、
「うちは、おじいちゃん、おばあちゃんと一緒に住んでるから、
中学も徒歩5分だから。」
「みんなも小学校よりも近くなるんだよね。」
「、、、じゃあ、
スマホ手に入れたら、まず俺に連絡よこせよな。
明日の詳しくは、俺が知らせるよ。」
「ゴメンね、そうするよ。
ゴメンね、
ありがとうは、ちゃんと目を見て言った方が良いよ。
◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️
ちょいと長い引用で恐縮ですが、
登場人物がセリフを吐く度に、
いちいちキャラの説明をさせるような策を取りました。
セリフの度にキャラ設定の復習をするのです。
また、クドくならないように、
前後の流れで誰の発言かわかるシーンでは、
また、セリフ中での自分の呼称を、
『俺』『僕』『私』『あたし』など使い分けて、
区別のヒントを示したり。
あと、誰のセリフであっても構わないものには、
あえて
読み手の判断に丸投げです。
とにかく、不必要な描写!?が入ることで、
会話の流れが損なわれると、
感情移入の妨げになる気がしまして、
そこが今回の新たな試みです。
いかがでしょう?
★追記★
、、、などと述べておきながら、
『あたし』とすべきところを、
『私』とした誤表記を見つけてしまいました。
コンテストのこともあり、あえて訂正は致しません。
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