起きたら(弟視点)

いつもの通り、遅刻ギリギリが起きた俺はいつも通り少し怒った母に謝っていた。

リビングに入ると姉が朝食をとっている。何というか、違和感が半端無い。


姉を持つ弟であればわかると思うが姉なんて言うのものは平気で弟を奴隷扱いしてくる。

これまでどれだけ理不尽な思いをしてきたかわからない。ちなみに、俺の姉は容姿は抜群に可愛い。

もし、黙っていれば学園の高嶺の花として君臨していてもおかしくなかった。黙っていればだが。

内面はお嬢様タイプ。高圧的で容赦ない。整理整頓は出来ているので、がさつではないが。


しかし、今朝のあれはなんだ。母親と俺のいつものやりとりに微笑ましい視線を送ってきた。

いつもなら食べ終わった食器はそのままだが今日は食器洗いまでしていた。

高圧的な性格はなりを潜め可愛らしい女の子そのものだ。


「頭でも打ったのかしら...」


母がそう言うのも無理はなかった。


「今日帰ったら何かあったのか訊いてもらえるかしら」


母にそう言われても姉の事であれば頑なにYesとは言わないのだが、今日ばかりは同意した。


姉に急に"女"を見せつけられた気がして違和感しかなかった。

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