戦場の恋8

「ちょっと待ってくれ。なぜそうも話がぶっ飛んでいる?」


「それは俺に言われても…ここまで俺と戦えるやつは初めてだ。それが女と来た。恋愛なんかはよく分からん。しかし、決闘に勝って出てきた気持ちはお前を嫁に貰いたいという気持ちだ。」


「貴殿のような殿方からそう言ってもらえるのは嬉しい。しかし、敵同士。しかもお互いのことも全く知らんだろう。」


「そうか?俺は今回の決闘でお前のことをかなり知れたつもりだ。お前はそうではなかったか。」


「確かにそうだが…いや、正直になると私としても貴殿には惹かれていた。もし、私が勝ったら婿に来いとでも言ってたかもしれん。」


「なるほど。ならば尚更今回の決闘勝ててよかった。それに、敵同士の将軍が結婚となると国や兵士のいざこざは丸く収まるのではないか?」


「では、政治的な意味も含まれると…」


「別にそんなつもりはない。俺がしたいことをしたら何故か丸く納まっるだろうってだけだ。」


「なんとも貴殿らしい。そうだな、貴殿の気持ちに答えるのに1つ条件がある。」


「条件?」


「嫁には行こう。しかし、私と度々決闘をしてくれ。そして私が勝てば婿としてこちらに来てもらう。」


「あぁ、それでいい。俺はお前を離さない為にさらに強くなって見せるさ……なんだ変な顔をして。」


「少しキュンとしただけだ。」




なんとも甘酸っぱい会話をしている2人を龍の姿で眺めていた私は黒魔術を解いた。


(それにしてもあんなに女性に免疫のなかった兄様があそこまでアタックできるとは…まぁ兄様がフィーネ将軍から顔を背けた時に顔が真っ赤になっていたことを私は逃しませんでしたが。)


何はともあれこれで兄様の言う通り丸く収まるんだろう。

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