手は生命の限界にいる人を引き戻し、足は人間の限界を一歩踏み越えた猛者達
- ★★★ Excellent!!!
読めば目を疑います。この状況は、というより、この者達は人間なのか?
上の問いは、他人の生命を救う人間に対して最悪の侮蔑です。しかし。
他人の生命を救う人間の精神が常識から逸脱している現実。
精神が常識から逸脱した人間でなければ生きて帰れない戦場の現実。
重心が安定していないと身体が倒れます。手で生命の限界にいる人を引き戻そうとしたら、足は身体を支えられるように人間の限界を踏み越えたところまで伸ばして踏ん張る必要があります。それだけのことです。
人を救う弥勒となるために、戦場で生き残る修羅となる覚悟。背反の極限を進む覚悟を決めた猛者達の振る舞いと言葉に、息を呑みます。
人が人でなくなる場所は現実に存在し、そこから一人でも多く戻すために。手を合わせて神に祈るのではなく、傷ついた者に手を伸ばすのです。