異色の時代ファンタジー小説!

新選組・山崎烝が仙薬「仙変丸」で変幻自在の密偵となり、ついには“幼い少女”の姿から戻れなくなる――この導入だけでそりゃたまりませんね!笑

原田左之助と「偽親子」として異国を渡り歩く姿は切なくもユーモラスで、過去と現在、正体の秘密と人との温かい繋がりが絶妙なバランスで表現しています。

そのドラマ性や痛々しさも、大きな魅力ですねー。
特に、変身の代償を痛烈に描きつつ、“今を生きる”山崎の不安と意地が生き生きと伝わる筆致は圧巻です。

文章力も抜群で、上海・サイゴン・漢口と舞台が移るごとに、異国の空気や生活の描写が本当に鮮やか。思わず旅気分でページをめくってしまいます。シリアスと笑い、サスペンスと日常の間を心地よく行き来しながら、どこか温かさを感じさせるのも特徴。

歴史もの、転生、ミステリーや“なりかわり”系が好きな人は絶対楽しめると思います!

重厚なテーマながらも重すぎず、思わず続きが気になる一作。
ぜひ手に取って、この“異形の人生劇”を読んでみて下さいな。

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