HOTELフェアリーは心霊スポットではありません
塔
Q:HOTELフェアリーは心霊スポットですか?
──え? HOTELフェアリーですか?
なあ、お前知ってる?
──ああ、はいはいはい。あれね!
県道沿いの。あれだ、廃虚ですよね?
知ってます知ってます。
あれHOTELフェアリーっていうんすね。
──いや有名ですよ。
まあ俺は行ったことないですけど。
先輩がなんか行ったことあるみたいで。
──先輩ですか?
いや、去年就職しましたね。
──連絡先は……ちょっ、と、わかんないすね。
知ってても個人情報ですしね。勝手には、ちょっと。
──ええっと、たしかなんか女の霊が出るとか?
すんません、俺、地元じゃないんで。
お前……おま、何笑ってんだよ!
聞けって。お前さHOTELフェアリーの話、詳しい?
アレだよね、なんか、殺人?
殺人事件かなんかがあって。
──あ、そうそう! 思い出した思い出した!
ちょっ、待って待って。俺に言わせて。
なんか女子高生? 女子大生?
それがそのー。
──え? ああ、事故。事故か。
えーと、とにかくそのホテル。
廃虚になったホテルで死んで。
で、その死んだ女の霊が出るみたいな。
合ってます?
──あー、行ったことはないですけど。
前は通ったことありますね。
県道通らないと市内、行けないんで。
まあ気味は悪いっすよね。
普段は全然気にしてないですけど。
夜とかは、ちょっと。
──いやあ、行こうとは思わないっすね。
俺、こう見えてけっこう苦手なんですよね。
ホラーとか。怖い系全般。
だから心霊スポットとかは、ちょっと。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます