さいてーなあたしは今日も手を合わせる
さくさくクッキー
第一話 妹
あたしの親は超さいてーだ。けどあたしもそんなこと言えない。なぜならあたしもさいてーだからだ。妹が苦しんでいるのに気づけなかった。そんなあたしの話。最後まで聞いてってよね。 ーあれは、あたしは忘れもしない。高校一年生の冬の出来事だった。いつものように夜ご飯を食べたあと、お風呂に入る。家の中でも寒い季節、熱々のお風呂に入るのが私の醍醐味だった。で、その後アイスを食べる。えっ?意味ないって?アイスを食べたらまた体温下がるって?いやいや、まあそうなんだけどさ、寒いときって逆になんか食べたくなるんだよねー。みんなならない?えーそうかなー。まあ、その後おかん(お母さん)に言われて仕方なく歯を磨く。そして可愛いすぎる妹に絵本を読んであげる。妹の名前は香奈梨(かなり)という名前だ。変わってるって思った?あんまりない名前だけど、あたしはかなり気に入ってる。香奈梨だけにね。あーっ!今つまんないって思ったっしょ?!次の行動当てたげる!この小説を読むのやめよー。って思ったっしょ?えっ思ってない?そ、、それはいいことなのかなあ〜。まあ嬉しいサンキュ!、、、けどメタ発言はやめろ?あたし思ったことすぐ口に出しちゃうタイプなんだよねー。次から気をつける。話戻すね。絵本を読んでいる間にちゃんと香奈梨が眠ることができたらミッション完了。あたしも自分の部屋に戻り寝る。その翌日の話だった。いつもは朝六時になったらあたしが遅刻しないようにいつも起こしてくれるんだけど、六時になっても来なかった。なんでそれ気づいたのかはね、たまたま五時半に起きて、来てくれる香奈梨を驚かそうと思ったの。んで色々計画してたんだけど、六時半になっても来ない。いつもこんなことないから、何かあったのか?って思った。だからおかんに聞きに行こうと思って、一階へ降りてったんだよね。ちなみにあたしの部屋二階だよ。そしたらおかんも知らないってさ。 「香奈梨ー!どうしたのー。寝坊したー?」 そう言ってドアが閉じてある可愛い妹の部屋を開ける。すると、衝撃すぎて私は声が出せなかった。妹がいない。本当は寝てるはずのベッドももぬけの殻なのだ。私は野生の勘のようなものがある。嫌な予感がする。ううん、きっとかくれんぼをしているんだろう。そう思いつつ、他の場所も探した。けど家中探しても香奈梨は見つからなかった。私のひたいに汗が出る。おかんに学校遅刻するよと言われるが、そんなの今はどーでもいい。外か?私はそう思い家を出る。焦りすぎていたせいでパジャマ姿だった。庭にもいない。学校にもいったがみんなまだ来てない、という。家出?香奈梨の友達の家にも行った。あたしが知ってる限りのとこに入ったけど、みんな身に覚えがないって。あたしは最悪の想定をしてしまい鳥肌が立つ。一番最後、昔一緒に秘密基地を作った森に向かう。まだわかんないのに、涙が出てくる。お願いー。祈りつつ、秘密基地の前につく。基地の前に見覚えのある少女が横たわっている。香奈梨だ。あたしの心臓はドクンドクンと嫌な音を立てる。すぐにそばに近づき手を握る。すごく冷たい。人間の体温じゃない。いや、気のせい、気のせいだって言ってほしいー。まだ死んでない。死んでないんだよ。そうだよきっとそう。あたしは香奈梨を背負い急いで家に戻ろうとする。けど、香奈梨が冷たすぎて背負いたいにも背中が凍ってしまいそう。それほどに冷たかった。いつからここにいたの?誰かにつれてこられた?それとも自分でー。考えるのを放棄する。とにかく、自分で運ぶのは無理だと判断しポッケに突っ込んどいたスマホで救急車を呼ぶ。香奈梨は死んでいた。他殺の可能性もあり警察も来て大騒ぎ。どうやら何時間も前からここにいるらしい。体温が低くなりすぎてしまって死んでしまったそうだ。その話を聞いたときあたしは膝から崩れ落ちた。なんで?どうしてこうなったの?頭にははてなマークばっかり。あたしの視界がぼやける。目から大粒の雫がこぼれ落ちる。そんなあたしを見ておかんが言った。笑顔で。 「アララ。そーんなに泣いちゃって。めーちゃん知らなかったっけ?あの子は養子。だからね、そんなに悲しまなくてもいーのよ?めーちゃんの成長につながると思ったから仕方なく養子にしたけど。私のかわいいめーちゃんにまとわりついてウザかったのよね。清々したわ。めーちゃんもそ~思わない?」 おかんの話を聞いてあたしは凍りついた。あっめーちゃんってあたしのことね。名乗り遅れてたわー。あたしの名前明香(めいか)っていうの。でね、妹が養子だってことはなんとなくわかってた。あたしの家族全員猫みたいな顔立ちでなんていうか、、クール系なんだよね。そんな中、妹だけくりっとした大きい目、膨らんだぷくぷくほっぺ、明らかに犬系。だから、言われてなくてもなんとなく察してた。けどまさかおかんが、いやあいつがそんなことを思っているなんて考えていなかった。あたしは髪も金髪に染めてて学校終わってもそのまま友達とぶらぶらしててあまりいい子とは言えなかった。けど成績、運動神経どっちも優秀で先生にも褒められてた。まあ文武両道ってやつ? あいつが続ける。 「めーちゃんもね、成績優秀じゃなかったら養子に出す予定だったけど、優秀すぎてまま安心しちゃった〜。」 あたしは悲しみよりもその時は殺意が湧いていた。血がつながっていなくても、優秀じゃなくても家族は家族。なのにあいつは平然とさいてーなことを言う。 「あっ。勘違いされたくないからちゃんと言っておくね。私がこの子を殺したんじゃないわよ。家から勝手に出ていったんだから。」 こいつの口調的に多分出ていく姿を見ていたんだろう。この話が本当なら。こんなやつ母親じゃない。吐き気がするのをぐっと抑え、あたしは母親の胸ぐらをつかんだ。
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