元カノ

水島あおい

第1章 恋の終わり…そして友情の始まり

第1話

私があいつから呼び出されたのは、学校の屋上だった。

昼休みの屋上は生徒の数も疎で、空には白い綿雲がポッカリと浮かんでいて……


違う違う!無理!

その時の状況なんて私にはどうでもいい。

大事なのは、その時私……西山聖佳が彼から

言われたあの言葉だ。

その時、あいつから言われたあの言葉はあれから私の中でずっとリピートしている。


……ゴメン。俺と別れてくれないか?他に好きな子が出来たんだ。


好きな子って……?

それ一体誰の事なの⁈

大体アンタから告って来たんでしょ⁈


幾十、幾百、幾千の言葉が、駆け足で私の身体中に飛び交い、出て来た言葉は超平凡なものだった。


「……そっか。分かった。でも一つ聞いてもいい?好きな子って一体誰なの?」


「石田沙良だ」


その瞬間、私の身体中が凍りついていた。

何故なら、沙良は私の親友だからだ。

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