第32話


日付は12月31日になっている。


お前が目覚める頃には、新しい年になっているはずだ。


そう仕向けたのは、俺。


口移しに飲ませたのは、ほんの少し効き目がある睡眠薬。


お前が、ワインに入れた成分も睡眠薬。


だが、お前は知らねぇ。


睡眠薬にも色んな種類がある事を。



全てを話せば納得するとは思わねぇ。


全てを説明すれば、納得するとは思わねぇ。



お前にとって、言葉は何の意味も持たねぇのを、俺が1番分かっている。

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