第25話
お前がマンションを解約した事を俺が知っている。
お前が俺を分かってねぇだけだ。
今宵は何処へ?
そんな風に思う俺は凍てつく寒さを心地良いと感じている。
逃がしたりはしねぇ。
手放すつもりもねぇ。
ただ今は物語を演じる主人公のお前を見てぇと思う俺は、何処までも卑怯者。
だが、俺は知っている。
お前に対して、言葉は何の意味も持たねぇと言う事を。
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