第15話


少しずつ外が明るくなる。


だけど、雪は止む事を忘れた様に空から降り注ぐ。


幼い時に、かまくらを作った事が脳裏の隅に浮かぶ。


雪合戦をアイツとしたのを思い出して、1つ溜息を落とす。


もう今年も終わる。


そして新しい年が来る。



アイツと一緒に除夜の鐘を聞いたのは、いつだったのか?


アイツと一緒に初詣に行ったのは、いつだったのか?



そんな些細な事も、もう思い出せないくらいに、アイツと私の間に距離があった。



別れを告げなかったのは、アイツ。


別れを言えなかったのは、私。

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