第10話


人生と言うすごろくゲームのサイコロを最初に振ったのは、アイツ。


何気にコートのポケットに手を忍ばせれば、小さなサイコロが2つ。


後悔なんかしていない。


ただ、全てを無にしたかっただけ。


空から降る雪が私の足跡を消す。


きっと一晩降れば、足跡の上に雪が積もるだろう。


幻想的で神秘的なのは、暗闇にの中点滅する信号機に照らされる雪。


アイツはもうこの世に存在しない。


殺したのは、私。


でも、私の心を先に殺したのは、アイツ。

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